デーモン閣下 一期一会にかける強いまなざし 昨年がん早期発見――心境に変化 聖飢魔Ⅱデビュー40周年

[ 2025年4月20日 05:00 ]

ポーズを決めるデーモン閣下(撮影・大城 有生希)
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 【俺の顔】ハードロックバンド「聖飢魔Ⅱ」のボーカル、デーモン閣下。魔暦前14年(1985年)に地球デビューを果たしてから今年で40周年の節目を迎えた。お茶の間でも親しまれている無敵の悪魔だが、人間の姿を借りているからこそ、昨年にはがんが見つかった。手術とリハビリを経て、心境の変化があったという。(高原 俊太)

 カメラのシャッター音に合わせて次々と表情を変えていく。悪魔であり、表現者。「ライブ中は目を開くことを意識して、曲に合った表情を務めている」。その心がけは撮影中の一コマにも表れていて、威嚇するような顔、キリッとしたキメ顔、ニコッとほほ笑む顔。どれもが一瞬で伝える力があった。

 「顔のパーツで好きなところは?」と問うと、少し間を空けて口を開く。「顔の中で一番好きなパーツなんて質問は受けたこともないし、考えたこともあまりないな」。数秒間、世を忍ぶ仮の両親の顔を思い浮かべ「どちらかといえば世仮の父親の輪郭や配置に似ているということになっていた。年を取ると母親に似ていることも分かった」。数年前、2歳年上の母方のいとこと催事で一緒に歌うことになった際、いとこが閣下に似せたメークをするとうり二つ。「我輩のコスプレをする芸能人をいろいろ見てきたけど、目がそっくりで笑っちゃうぐらい似ていたな」。思いがけない発見によって人間の奥深さを再認識した瞬間だった。

 昨年2月には、受診した検査でステージ1のがんが見つかった。13年前から広島県のがん検診啓発キャラクターに就任し、知識があったから焦りはなかったという。「日本人の2人に1人はなると分かっていた。だから自分もいずれがんになることは分かっていたから別に驚かなかった」。穏やかな口調で振り返った。

 早期発見により迅速な手術とリハビリに時間を費やすことができ、4カ月後にステージ復帰。「ダイレクトに観客、観衆と触れ合うことができる。これがステージの最大の魅力だ」。闘病生活を経験したからこそ、音楽を届ける者としての幸せを感じていた。

 今年は聖飢魔Ⅱの地球デビュー40周年の節目。そんな悪魔が元気をもらっている人間がいるという。3人組バンド「THE ALFEE」だ。活動を休止することなく、50年以上3人で続けてきた超人バンドに「アルフィーから勇気をもらったり、尊敬をしている。けど、早く引退してくれないと結成何年やデビュー何年っていう記録はずっと抜けない」と苦笑いするが、目は真っすぐ。偉大な先輩の背中を見ながら、信奉者(ファン)に届けていく。

 現在は18都市を巡る大黒ミサ(コンサート)ツアーの真っ最中で、がんを患ったことで心境の変化があった。「“これが最後のステージになるかもしれない”“最後の作品になるかもしれない”という気持ちが強くなった。出し惜しみはしなくなったかな」。言葉を発するまなざしは強く、一期一会にかける強い思いを感じた。

 35周年記念イヤーを迎えた魔暦22年(20年)から行ってきた大黒ミサツアーでは、最後まで観客の声出しを解禁しなかった。観客にとっては今回、10年ぶりに歓声を送ることができる。悪魔は「信奉者は昔のように心置きなく我輩以外の構成員の名前を叫べ。そうしたら我輩が“うるさい!”としかるから」と、少し体をのけぞらせながらニヤリとした。いたずらっぽく笑うその表情からは、信奉者への深い愛情が感じられた。

 ≪セルフオマージュ「老害ロック」≫聖飢魔Ⅱは地球デビュー40周年を記念して再集結し、37年ぶりとなるEP小教典(シングル)「Kiss U Dead Or Alive」を発布(発売)した。収録した「老害ロック」は魔暦前9年(90年)発表の「有害ロック」をセルフオマージュした。「年寄り扱いされている雰囲気があるから、ベテラン側の歌を作ったら面白いかなと思ったということだね」と明かす。期間限定再集結を楽しみに待っている信奉者に向けて「みんなで仲良くやっていく歌を期待しているなら大間違いだぞっていうことを歌っている」とにこやかに鋭いくぎを刺した。

 ◇デーモン閣下(でーもんかっか) 魔暦前10万36年(紀元前9万8038年)11月10日生まれ、獄の都Bitter Valley地区出身の10万62歳。早大社会学部卒業。魔暦前16年(83年)から聖飢魔Ⅱとしての活動を開始し、魔暦前14年(85年)に地球デビュー。好角家としても知られ、輪島を悪魔のヒーローとしてあがめている。

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