にっぽんワチャチャ・鈴木Mob. 世間知らずのお嬢様からの覚醒…「キミとクエスト。」に秘められた5年の軌跡 武道館公演で卒業へ【ソロインタビュー連載第5回】
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5人組女性アイドルグループ「にっぽんワチャチャ」(通称ワチャチャ)が3月31日、結成5年の集大成となる日本武道館公演を行う。2020年3月、新型コロナウイルス禍で世界が閉塞感に包まれていた中、大阪の3畳一間の事務所からスタートした彼女たち。厳しい状況でも、決してあきらめることなく「武道館公演」の目標を掲げ続けた。「NGなしアイドル」として全力で突き進んできたワチャチャは、夢の舞台を前に何を感じ、何を語るのか――。個性あふれるメンバーたちに1人ずつ迫るソロインタビュー連載。第5回は鈴木Mob.(もぶぴ)にスポットを当てる。取材から約2週間後、鈴木は武道館公演をもって卒業することを電撃発表。これを受けて卒業への思いも聞いた。(「推し面」取材班)
――武道館公演が目前に迫っています。現在、グループで力を入れていることは何ですか。
鈴木「はい。今一番頑張っているのは“超拡散”です。デビューして5年が経ち、にっぽんワチャチャとしての形はほぼ完成してきたと思います。なので、これをいかに多くの方に知ってもらうか、という部分に全力を注いでいます」
――具体的にはどんな取り組みをされていますか?メンバーでの活動内容について教えてください。
鈴木「活動内容は本当に多岐にわたっていますが、例えば私はビラ配りを8000枚行っています。また、手売りチケット会も開催していて、“レンタルもぶぴー”という企画もやっています。これは、チケットを10枚購入いただいた方には、私が都内であればどこでも駆けつけて何でもお手伝いするというものです。たとえばアイドルさんからご依頼があって、デビュー前の準備として『アイドルの心意気を教えてください』というリクエストに応じ、パワポを使って講習会を開いてきます」
――すごく幅広い活動ですね。他にもどんなことをされていますか?
鈴木「他には、大学での講習会にも呼んでいただいています。先日は日芸大学の放送学科で『アイドルとは何か』『SNSの活用について』というテーマでお話ししました。また、早稲田大学では『アイドルとファンのコミュニケーション』について授業をさせていただきました。これらは教授の方々が日本武道館を盛り上げたいという気持ちからのご依頼でした」
――活動内容が多岐にわたり、プロデューサー的な視点もお持ちですね。
鈴木「そう言っていただけると嬉しいです。ファンの方が興味を持ちやすい形で、にっぽんワチャチャの魅力を最大限伝えたいという思いで、いろいろとチャレンジしています」
――武道館公演に向けてさまざまな企画を進めている中で、特に印象深いエピソードがあれば教えてください。
鈴木「1つ忘れられないエピソードがあります。ビラ配りをしていると、ファンの方が遠くからこっそり見守ってくださることがあるんです。その中の1人の方が、寒い中あったかいお茶を差し入れしてくれて、『頑張ってね』と声をかけてくれたんです。でも、その翌日にその方が仕事に行く途中で交通事故に遭ってしまったんです。話を聞くと、不運な事故で、大けがを負ってしまったそうです」
――その後、どのような対応をされたんですか?
鈴木「その方がXに投稿していたんですけど、『仕事も落ち着いてこれから応援に行けると思っていた矢先にこんなことになってしまった』と書かれていて、本当に心が痛みました。ただ、同時に『にっぽんワチャチャや鈴木.を見ていると頑張れる』と書いてくださっていて…。それを見て、居ても立ってもいられず、社長に相談してその方に直接会いに行きました」
――直接会いに行かれたんですね。その際、どんなお話をされたんですか?
鈴木「まず『何かしてほしいことがあったら言ってください』と聞いてみたんです。すると、その方が『ホームランを打ってほしい』と(笑)。お笑い系のアイドルということもあって、少しでも面白くしてくれようと、そう言ってくださったんだと思います。それで初めてバッティングセンターに行って、3時間くらいひたすら打ち続けました。でも、結局ホームランは打てなかったんです」
――結果は残念でしたが、それも一つの思い出ですね。
鈴木「そうなんです。でも、その方が『それでもMob.が頑張っている姿を見て自分もリハビリを頑張ろうと思える』と言ってくださって。本当にうれしかったですね。その方は私の実家が大阪で営んでいる白玉屋さんの大福を毎月通販で購入してくださっているんです。なので、お詫びと感謝の気持ちを込めて、大阪に戻り、大福を手作りしてその方にプレゼントしました」
――昨年12月にリリースされた2枚のアルバムについてうかがいます。グループの代表曲「キミとクエスト。」は特別な思いが込められていると聞きました。
鈴木「この曲は本当に特別な存在です。デビュー曲であり、私が作詞を担当した曲なんです。作曲は別の方ですが、私がにっぽんワチャチャに加入する際に、この曲の歌詞を書き換えました。当時、グループの『大きな夢を叶えたい』という想いに惚れ込んで加入を決めたので、その気持ちを歌詞に込めました」
――5年間、歌い続けてきたことで、この曲への思いも深まったのではないですか?
鈴木「そうですね。デビュー直後はちょうどコロナ禍で、エンタメ自体が制限される時期でした。でも、私たちは『エンタメは必要だ』と信じて、笑いに特化したアイドルとして活動を続けてきました。その間も『無理だ』と言われることがたくさんありましたが、それに負けず頑張り続けてきました。この曲にはそのすべての想いが詰まっています。デビュー時の挑戦や挫折、そして武道館が決まった時の喜び…すべてが反映されています」
――武道館公演では、他のアーティストも出演されると伺いました。この企画にはどんな思いが込められているのでしょうか。
鈴木「日本武道館を“にっぽんワチャチャお祭り騒ぎ”のような楽しい空間にしたいという思いから企画しました。たくさんのアイドルやアーティストさんに出演していただいて、会場全体を盛り上げてほしいと思っています。特に私たちはコロナ禍でデビューしたグループなので、当時は他のアーティストと一緒にライブをすることが難しかったんです。だからこそ、今こうして多くの方を呼べるようになったことが、この武道館公演の成果だと思っています」
――企画を考えたり進めたりするのがとてもお好きなようですね。
鈴木「私は大学生の時ににっぽんワチャチャに入りましたが、実は何も知らない状態でした。 しかも、自分で言うのも恐縮ですが、箱入り娘で(笑)。中高一貫私学で大学も神戸女学院大学に通っていたため、社会のことは全く分かりませんでした。 にっぽんワチャチャは私にとって初めての社会経験でしたが、そこで社長に厳しく指導され、毎日怒られていました。6時間ぐらい」
――アナウンサーが多いイメージなので、出身者でアイドルやってる方はなかなか聞きませんね。
鈴木「教授もびっくり仰天ですよ。就職率99%で、就職しない人は家業を継ぐ人。だからアイドルというのは『初めてだよ』と言われて(笑)しかも私は1年休学して、上京していて。とはいえ大学も大好きだから通わせてくれと頼んで、半分オンライン、半分通いで、1年間、アイドルしながら大学生活を送ってました。どうしても武道館公演を叶えたいのでけど大学も卒業したい、と教授に直談判して。そして卒業させてもらい、武道館公演が決まったときもごあいさつに伺って『武道館公演にご招待させてください』と。実際に来てくださるので楽しみです」
――そもそもアイドルになろうと思ったきっかけは?
鈴木「大学3年生の頃、就職活動を始めなきゃいけない時期だったんですが、私はもともとアニメが大好きで、趣味でアニソンを歌っていたんです。ステージでアニソンを歌う機会があって、『私もこういう場所に出たい』と感じていました。そのステージをたまたま社長が見ていて、『アイドルになってみないか』と声をかけてくださったんです。『アニソンのタイアップも取れるし、超かっこいいグループだよ』と言われて、それなら!と思って加入を決めたのですが…」
――実際に入ってみると、どうだったんですか?
鈴木「入ってみたら、なんとお笑い特化のグループだったんです(笑)。え?詐欺って?完全に話が違いましたね。そしたらコロナ禍に入って、社長にもたくさん怒られました。最初の3年間は本当に毎日怒られっぱなしでした。だから、うちの両親は社長が嫌いですね(爆笑)親からしたら『大切にここまで娘を育ててきたのに泣きながら帰ってくるし、ハアッ?!(怒)』って気持ちになっちゃいますよね。でも、その厳しさが今の私を作ってくれたと感謝しています」
――にっぽんワチャチャの魅力や武器、そしてライブの楽しさについて教えてください。また、武道館公演への思いも聞かせてください。
鈴木「にっぽんワチャチャの一番の魅力は“誰でも楽しめる”ことです。満足度100%を掲げていて、曲を知らなくても、推しがいなくても、ライブそのものが楽しいと思っていただけるように工夫しています。例えば、3月31日の武道館公演に初めて来てもらっても絶対に楽しめます。それに、今のチケットがどんどん売れていく様子を見守るだけでも、一つのエンタメとして楽しんでもらえるんじゃないかと思います」
――武道館公演に向けての思いも教えてください。
鈴木「私にとって武道館公演は、にっぽんワチャチャの“第1章の最終話”だと思っています。この先、第2章もきっと続いていくと思いますが、この公演は5年間のすべての集大成です。今知ってくださった方でも楽しめるように、YouTubeチャンネルでこれまでの歩みをまとめた動画も配信していますので、ぜひ目に焼き付けに来ていただけたらうれしいです!」
<追加分>
――2月2日に卒業を発表されました。決断に至った思いをお聞かせください。
鈴木「日本武道館が目標で5年間頑張って走ってきたので次は自分の目標に向かって走りたいと思い決断しました。にっぽんワチャチャにとても感謝しています。私を育ててくれた実家だと思っています。なのでもっと素敵なアイドルになってグループや事務所、ファンの皆様に恩返しができるように頑張ります」
――鈴木さんにとってメンバーはどんな存在でしたか?
鈴木「家族です。世間知らずの私を赤ちゃんと呼んで可愛がってくれて、気づいたらもう赤ちゃんじゃなくてしっかりものだね、と言ってくれるようになり、お母さんかお姉ちゃんかどの立ち位置かは分かりませんがみんな大切な家族だなと思いました」
――卒業発表をされた後の周囲やファンの反応を教えてください。
鈴木「いつかは来ると思っていたがこのタイミングなんだねという意見が1番多かったです。あとはもぶちゃんらしいね。もっと挑戦して欲しい!などの声もありました。寂しいのはもちろんだけど応援してくれるというファンの方々の姿勢を見て、本当に素敵なファンと出会えたのだと嬉しく思いました」
――活動を応援してきたワチャポ(ファンの呼称)の皆さんへのメッセージを最後にお願いします。
鈴木「5年間にっぽんワチャチャとして頑張れたのは紛れもなくファンの方々のおかげです。どんな時も支えてくれてありがとうございました。これからも恩返しができるように精進しますのでよろしくお願いします!まずは日本武道館を最高のスタートの日にしたいです」
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