高中正義 “オマケ”の人生で大化け中 気ままライフが英気の源
著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回はギタリストの高中正義さん(71)です。長野県軽井沢町に移住して25年。四季を感じる森の中の暮らしが、元気の源です。好きな音楽を聴いて踊ったり、友人と酒を酌み交わした翌日、二日酔いをさまそうと湯船でカップ麺を食べたり。そんな自由な生活が、艶やかなギタープレーにつながっています。(構成・西村 綾乃)
中学1年でギターを始め、18歳でプロになりました。一時期ハマったテレビゲーム「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」(現スクウェア・エニックス)の中で、「あとの人生は、オマケみたいなもの」って言う青年と出会うんだけど、2年前に古希を迎えてから、僕も「70歳からは、オマケの人生」っていう境地になりました。
一線から徐々にフェードアウトしていくって思っていたんです。でもこの数年の間に、海外で僕の曲が聴かれるようになって、昨年12月には中国の上海に行き、今年は3月に米国でコンサートをすることになった。70歳を超えてこんな人生になると思っていなかったから、宝くじにでも当たったような気分。どうせやるなら、世界最高峰の米音楽賞、グラミー賞が欲しい!夢を口にするだけなら、タダだからいいですよね?
代表曲「BLUE LAGOON」を作ったのは26歳の時。あれから45年の月日が流れて、僕の体の細胞は何度も入れ替わり、別人のようになっているかもしれない。でも、演奏する時は曲を生み出した当時の思いを自分の中に再現したいと努力しています。実はこの曲で「♪ミソラドソー」って弾くところがあるんですけど、レコーディングをした時、なぜか「ソ」の音程だけズレていたの。音が揺れているのはいいんだけど、音痴になっているから、そこは再現できないんだよね。
実家は東京・大井町駅前にあった麻雀店。キャバレー、パチンコ店、質屋が並ぶ繁華街にあって、家の裏にあった深夜喫茶からはマンボが流れていた。その環境が後に「MAMBO No・5」が生まれるきっかけになりました。
25年前に長野県軽井沢町に移住。1年の半分くらいは寒く厳しいですが、その分、春が来る喜びがある。鳥が鳴いたり、木々が芽吹いたり。絵本の中のような森の世界に、毎日癒やされています。
50代の初めに脂肪肝と診断され、45分のウオーキングと腹筋300回をこなしていました。10キロほど減量した今は、目覚めたらストレッチをして散歩。暖かい時季はサイクリングに出ます。世界のラジオをザッピングして好きな音楽でハチャメチャに踊る日もあるし、最近はジャネイの「サタデー・ナイト」を聴きながらダンベルでトレーニングをするのが日課です。
ライブがある時は、本番の10日ほど前からお酒を断ちます。ツアーが終われば、白ワインならボトル1本を1人で空けてしまうほど大好き。ウイスキーのI.W.ハーパーをロックで飲むことにハマり、友人たちと飲み過ぎてしまうこともあります。
二日酔いの日はお酒を抜こうとお風呂に入るんだけど、中ですることがないから、奥さんに作ってもらったカップ麺を食べています。湯船に麺を2、3本落としちゃうこともあって、見つかると凄い怒られます。
麺といえば3~4年ほど前に福岡で教えてもらった「博多らーめん ShinShin」が大好物。現地に行けば必ず食べますし、お取り寄せもします。こだわりは、麺をはさみで切ってスープと一緒に食べること。箸を使わずスプーンで食べるので、麺とスープを一度に頬張れます。
妻と猫と一緒の、自由気ままなオマケの人生。「“大化け”して、化け猫になって」ってファンに言われるから、求められる間はステージに立っていたい。僕の音楽を、世界中に響かせたいです。
〇…ジャズにロックやラテンなどの音楽を融合したジャンル「フュージョン」は、70年代後半から80年代後半にかけて国内で人気に。そのブームを先導した高中の音楽が今、海を越えて支持されている。来月9、10日には、[B’z]やX JAPANも立った米ロサンゼルスの「ウィルターン・シアター」で公演。5000枚のチケットは完売した。「僕が71年に出したデビュー盤はスピード感がないと酷評されたんだけど、その作品たちが、Spotifyとかで聴かれて、海外の若者に支持されている。不思議だけどうれしいよね」
4月18日には東京・昭和女子大学人見記念講堂でロサンゼルス凱旋公演が決定。「ニューヨークも行きたいし、ミカ・バンドで行ったロンドンにも!」とますます忙しくなりそうだ。
≪3月ゆかりの地でライブ 盟友斉藤ノヴらも参加≫「TAKANAKA SUPER LIVE 2025 黒船出航」と題したライブを、3月1日に神奈川県民ホールで開催する。老朽化のため同月31日で休館する同所での最後のステージで、パーカッショニストの斉藤ノヴら盟友も参加する。「僕のオリジナルはもちろん、サディスティック・ミカ・バンドの曲もやるよ」と気合十分。会場がある横浜では、81年にメキシコ出身のギタリスト、カルロス・サンタナと横浜スタジアムでライブを行うなど思い出がいっぱい。「サンタナとの共演曲も演奏します!」とゆかりの地で有終の美を飾りたいと願っている。
◇高中 正義(たかなか・まさよし)。1953年(昭28)3月27日生まれ、東京都出身の71歳。高校生だった71年にミュージシャンとしてのキャリアをスタート。翌72年から、ロックバンド「サディスティック・ミカ・バンド」のギタリストとして活動。76年にアルバム「SEYCHELLES」でソロデビュー。「BLUE LAGOON」、「READY TO FLY」などの名曲で“高中節”を響かせている。
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