「新AKB48劇場」が秋葉原にオープン 秋元康氏語る 「伝説が、また新たに始まるんだな」

[ 2024年12月8日 20:43 ]

リニューアルした劇場をお披露目したAKB48と、総合プロデューサーの秋元康氏(前列中央)
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 AKB48の「新AKB48劇場」が8日、東京・秋葉原にオープン。新公演「AKB48 18th『ここからだ』公演」の初日を開催した。

 この日は劇場オープン19周年の節目。老朽化などに伴い、9月から劇場をリニューアル工事して、新たな門出とした。開演前には、秋元康総合プロデューサー(66)が取材に応じて、「AKB48という伝説が、また新たに始まるんだな」と語った。

 ――新しくなった劇場について

 「座りやすいイスとかになって、全てが新しくなっていよいよAKBの新しい章が始まるんだな。ただ、新しくなっても変わらないものがあって欲しいなとも思っています」

 ――約9年ぶりにAKB48の新しい劇場公演のセットリスト16曲を制作。劇場が新しくなることを意識しましたか?

 「それは一番にありました。これまでのAKBという伝説があって、また新たな伝説を“ここから”作る。そういう彼女たちの状況を想定して『ここからだ』公演を作りました。昔をそのまま踏襲してもしょうがない。残さないといけないものもあるけれど、新しく、そのバランスが曲作りで一番難しかった」

 ――作詞をしながら曲選びも

 「曲選びが一番大変だった。1000曲以上は候補曲を聴きました。その中から今回の公演曲に合うものを選んでいきました。(シングル曲などの)表題曲とは違って、公演曲はいろんな冒険ができますよね」

 ――16曲も制作するのは大変でしたか?

 「最初、運営側からは『12曲でお願いします』と言われた。公演を短くしようという意図だったみたいだけど、『いやいや、今まで16曲でやってきたんだから。少しでもお客さんに物足りないと思ってもらいたくない』と、16曲を作りました」

 ――4曲増えると負担も大きいですが

 「すごい増える(笑) でも、『昔は良かったな』と言われるのは嫌じゃない? 例えば、おそば屋さんでも何でも、『先代はおいしかったよね』と言われるとかわいそうになるじゃない。みんなをそうはさせたくなかった」

 ――劇場、公演曲、衣装、ダンスなど全てが新しくなったものをゲネプロ(公開けいこ)で見て、どう感じましたか?

 「いや、僕はゲネプロは見ていないんだ。やっぱりAKB48は、(結末が分からない)総選挙とかワクワクが醍醐味だったでしょ。やっぱり劇場公演、AKB48シアターも、メンバーやスタッフだけじゃなく、お客さんが入って一緒に作るもの。だから、お客さんと一緒に初日公演を見ることが大事だと思っているんです。だから、今夜は別の仕事が入っていたんだけど、『ここだけは時間を外してくれ』と頼んで、今来ました。お客さんがどう反応するかが楽しみです」

 ――それこそが原点だと?

 「(1st公演では)本編最後の『桜のはなびらたち』で、天井から紙吹雪が降ってきて、メンバーたちがステージを降りるんです。すると劇場支配人たちがモップで、ステージを掃除する。それがアンコールと叫ぶ合図だったんです。だから、早くアンコールに入りたいお客さんたちは、最初に『モップ! モップ!』って、催促のコールをするんです。そういうのって、実際にお客さんが入った公演でないと起こらない。ファンの皆さんが、劇場公演を一緒に作ってくれるんです。きっと、この新劇場での新公演も、そうやってファンの方々が新しいものを作ってくれると思う。それは、本当に不思議なことですよね」

 ――ほかにそんな例は?

 「19年前は入場料が1000円だったから、いつのまにかTシャツなどのグッズがいくらかって会話をするとき、ファン同士で『3AKB(3000円)』とか『4AKB(4000円)』とか言い合ってたんですよ。あとは、『劇場併設のカフェにすごくかわいい子がいる。彼女はすごくいい』とファンの間で話題になって、それが篠田麻里子。『じゃあ、2週間で全曲の歌と振り付けを覚えられたら、デビューしていいよ』とね。きっと、またお客さんがいろんなことを見つけてくれるでしょう」

 ――ところで、倉野尾成美キャプテンが「夢は東京ドーム」と発言しました

 「やっぱり目標があると、みんなでそこに向かっていけるよね。劇場ができた2005年12月8日のオープン直前に、まだブルーシートに覆われて工事中だったここで、デビュー前のメンバーたちを集めて『君たちはこれから東京ドームを目指す。それとNHK紅白歌合戦に出る。レコード会社とも契約する』と言ったんだけど、誰も信用していなかった。でも、そういうことがあるから頑張ろうと思えるようになる。今のメンバーたちは、実際は『AKB48は黄金期を過ぎて、その後に入った私たちですから、まだそこまでは』と思っているかもしれないけれど、世の中は想定外なことが起こる。のちのち『まさか、あそこから蘇るとはね』って言われるようなことがあるから、それを信じてほしいな」

 ――ここからのAKB48については?

 「おニャン子クラブでも3年もやらなかった。それがAKB48は、いい形でバトンが渡されてきて19周年まで来た。また20年目から、次にバトンをつなげなきゃいけない。前田敦子が卒業したら、普通みんなはポスト前田を探すんだけど、大島優子、渡辺麻友たちも出る中で、突然、指原莉乃みたいなのが出てくる。これがAKB48。みんなセンターを狙うけど、センターだけが居場所じゃない。『ヘビーローテーション』のミュージックビデオで2.5秒しか映らなかった指原が、その怒りのせいで、その後あれだけ頑張ったのかもしれないし」

 ――秋元さんが考える「黄金期」とは?

 僕の勝手な考えでいうと、これは阿久悠さんのお言葉で「最近の音楽には街鳴りがしないね」って。みんなヘッドフォンをつけていて。昔は、有線放送やパチンコ屋さんで、流行歌が流れていた。だから、AKB48第2期黄金期っていうのは、『ヘビーローテーション』や『恋するフォーチュンクッキー』、『365日の紙飛行機』のように、みんながカラオケで歌うとか、街でいつも流れるとか、売り上げやランキングの順位じゃなくて、そういう現象が起こるかどうかにかかっているんじゃないかなって」

 ――必ずしも東京ドームライブではないと?

 「東京ドームも、このキャパシティ250人の小さな劇場から、毎日粛々と劇場公演をやっていって、1人が2人、2人が3人とファンが多くなっていっての5万人だからね。だから、重要なのは『私、AKBは嫌い』とか『AKBなんて知らない』って言っていた人たちが、『恋チュン』や『365日の紙飛行機』のときのように、思わず口ずさんじゃうようになるってことなんじゃないかな。振り返ると『365日…』は作ったとき、『絶対ファンは好きじゃないな』って思ったし、『恋チュン』はセンターの指原が泣いて嫌がった曲ですからね。初のセンター曲は『ヘビロテ』のようなアップテンポな曲が欲しかったんだろうけど、あのチャラチャララってイントロで、AKBのことも指原のことも知らない人たちが、思わずみんな踊っちゃった。楽しんじゃった。そういう現象こそがAKB48だし、東京ドームへ行ける(カギ)じゃないかな。皆さん、またぜひ、よろしくお願いします」

 いつになく冗舌な秋元プロデューサーの口調が、大きな手ごたえと、新たな高揚感を明確に表していた。

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