黒柳徹子 昭和の名歌手の厳しさに重ねる戦争体験「若い特攻兵への思いが根底にあったんじゃ」

[ 2024年8月11日 17:54 ]

黒柳徹子
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 女優の黒柳徹子(91)が、11日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋 『戦争』を忘れない~櫻井翔が聞く黒柳徹子の記憶~」(後1・55)に出演し、昭和の名歌手が語る戦争体験を振り返った。

 来年で戦後80年。戦争を知る人たちが年々、減ってきている中、かつて「徹子の部屋」に出演した戦争経験者の声をまとめ、特番として放送された。「嵐」櫻井翔(42)が黒柳に「その(黒柳の戦争の)記憶を重ねたい」と呼びかけたことで実現した。

 番組では、“ブルースの女王”と呼ばれた昭和の名歌手、故・淡谷のり子さんの戦争体験をVTRで放送した。戦時中は軍の施設への慰問を積極的に行っていた淡谷さん。ある時、衝撃的な出来事に出くわしたという。

 淡谷さんが気になったのは、20、30人ほどの白いはちまきを巻いた子供たちの一団だった。「係の方に“あの兵隊さんは?”って聞いたんです。“あれが特攻隊で、平均年齢が16歳です。命令がくれば飛びます。飛んだらもう帰ってきません”って言うのよ。それを聞いただけで、胸がもやもやしてきたんです。涙が出て、敵に突っ込むから帰って来られない。平均年齢16歳です。歌っている最中に来たら飛びますから、悪く思わないで下さいって言うの」。少年たちは、爆弾を抱えてゼロ戦に乗り、敵の艦隊などに突っ込む“神風特攻隊”だった。

 そんなことがないよう祈ったという淡谷さんだったが、歌唱中に運悪く出撃命令が。「そしたら、さっと立ち上がったんですけど、皆さん。私の方を向いてニコニコ笑ってね、みんな敬礼して行くんです。もう泣けて泣けて、次の歌が出なくなりました。悲しくて。16歳よ?平均年齢」と、涙声で振り返っていた。

 淡谷さんの涙ながらの告白。黒柳は、「今の若い人たちを見た時に、“あの人たちは死んで行ったのに。笑いながら死んでいったのに。もう少し若い人たちはしっかりして下さい”っておっしゃりたいんですよね?」と、同じように声を詰まらせながら淡谷さんに言葉を返していた。

 あらためてVTRを見た黒柳は、「話は聞いていたけど、16歳だなんて知らなかった」と悲しみを新たに。「今思うんだけど、あの方はすごく厳しいって、ものまね(番組)か何かで、“勉強して来なさい、ダメだよ、そんなことじゃ”って、とても辛口だったの。“淡谷さん、怖い”って言ってたけど、淡谷さんからすると、若い特攻兵への思いが根底にあったんじゃないかと思うんですよね。“その人たちのことを思うと、16歳であの人たちは死んでいったのに、この芸能人はろくに勉強しないでテレビに出てきて”って。そういうふうに思ったんじゃないかな」と推測していた。

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