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中谷 プロ33戦目ついに初黒星…“世紀の番狂わせ”東京D再現ならずも「成長できる材料をもらえた」

[ 2026年5月3日 05:00 ]

世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ12回戦   ○統一王者・井上尚弥 判定3―0 WBA1位・WBC1位・WBO1位・中谷潤人● ( 2026年5月2日    東京ドーム )

井上尚に判定で初黒星を喫し、場内に向けて手を合わせるポースを繰り返す中谷(撮影・長久保 豊)
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 井上尚弥を超えることはできなかった。中谷はプロ33戦目で初黒星。90年2月、あのマイク・タイソンが敗れた東京ドームで“世紀の番狂わせ”の再現はならず、日本人2人目の4団体統一王者と同男子4人目の世界4階級制覇を逃した。

 序盤は互いに距離を測る緊迫の展開で、クリーンヒットがなかった。「井上選手は学ぶ力が凄く強いので、学ばせないということでああいう戦いになった」と説明したが、常に先手を取っていた井上に1~4回のポイントを取られたことが判定負けにつながった。長いジャブをかいくぐって飛び込んでくる王者に狙っていたカウンターが当たらず、出入りの速さ、ハンドスピードに優れる相手に小刻みにパンチを当てられた。

 8回からラフ気味に攻めて徐々に流れをつかみかけたが、10回に偶然のバッティングで眉間から出血し、11回には左目を負傷。「パンチだったと思う」と眼窩(がんか)底骨折の疑いで病院へ向かった。「いろいろと想定して準備してきたので、驚きは特に感じなかったですけど、さすがチャンピオン、うまさがあってボクシングをつくっていくのが上手だった」と脱帽した。

 下馬評は低かった。昨年12月のスーパーバンタム級初戦は大苦戦の判定勝ち。実はオーバーワーク気味で、調子が上がらないまま試合に臨んでいた。その中で「成長できる材料をたくさんもらえた」と相手を上回る手数や試合運びの重要性を再認識。井上撃破のヒントを得て対策を練ったが、絶対王者には届かなかった。

 目標はパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランク)1位。プロ初黒星で夢は遠のいたものの、井上に善戦した経験は何物にも代えられない。いつかリベンジするため“ビッグバン”は再び前に進む。

 ▼M・Tジム・村野健会長 練習でやってきたことを、ある程度は出せたんじゃないかと思う。付け入る隙はあったと12回を終えて感じた。

 ◇中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重県東員町出身の28歳。小4から空手を始め、中1でボクシングに転向し、17歳でプロデビュー。16年全日本フライ級新人王、19年日本王座を獲得。20年11月にWBO世界フライ級王座、23年5月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。24年2月にWBC世界バンタム級王者となり、3階級制覇。昨年6月にIBF同級王者の西田凌佑を6回終了TKOで下し、自身初の王座統一に成功。身長1メートル73、リーチ1メートル74の左ボクサーファイター。

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