井岡一翔 “ちょ~気持ちいぃ”KO初防衛!格の違い見せた、今年こそエストラダと統一戦だ
プロボクシング WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ ( 2023年12月31日 東京・大田区総合体育館 )
世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34=志成)が挑戦者の同級6位ホスベル・ペレス(28=ベネズエラ)を7回2分44秒KO勝利で下し初防衛に成功した。3度のダウンを奪う完勝で、20年大みそかの田中恒成(28=畑中)戦以来6戦ぶりのKO勝利。12度目の大みそか決戦で世界戦の日本人選手最多勝利数を22とし、今年こそWBC同級王者フアンフランシスコ・エストラダ(33=メキシコ)との王座統一戦実現へ、23年を最高の形で締めくくった。
初防衛戦で挑戦者をまるで寄せ付けなかった。3度のダウンを奪い、格の違いを見せつけた井岡は「久しぶりのKO勝利を皆さんにお見せできて、超気持ちいい~~」と珍しく感情を爆発させた。
相手の出方をうかがう慎重な井岡が、1回から打ち合った。立ち上がりから手数で圧倒し、5回に2度のダウンを奪うと7回には左右のボディーから右ストレートをヒットさせ、試合を終わらせた。「レフェリーが10カウントした時の気持ち良さは、あの言葉に尽きた」と開口一番に発した言葉も事前に決めていたと言う。昨年12月26日に史上2人目の2階級4団体王座統一を達成したスーパーバンタム級統一王者・井上尚弥を再び引き離す世界戦勝利数も日本人最多の22とした。
22年大みそか以降、井岡には変化があった。WBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との2団体王座統一戦に0―1で引き分け、統一に失敗。その後、23年6月のフランコとの再戦前のスパーリング1ラウンド目から井岡は相手を倒しにいった。指導する佐々木修平トレーナーは「今までにないアグレッシブさがあった」と感じたことのない闘争心を井岡に見たという。試合後、井岡自身も倒すための相手との「間合い」に手応えを感じていたことを明かした。6戦ぶりのKO勝利はもはや必然だった。
当初はエストラダとの統一戦を熱望していたが、23年内の対戦交渉がまとまらず。モチベーションの低下も心配された中、恒例の舞台に立てる喜びを胸にこの一戦に臨んだ。今年の目標について「一番はエストラダとの試合を実現させること」と言い切った井岡。陣営も「5月をメドに」交渉は継続しており、年内の統一戦実現へこれ以上ない勝利となった。
◇井岡 一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日生まれ、堺市出身の34歳。興国高で6冠を達成し、09年4月にプロデビュー。11年2月にWBC世界ミニマム級王座、12年12月にWBA世界ライトフライ級王座、15年4月にWBA世界フライ級王座を獲得。17年末に引退を発表したが、翌年9月に現役復帰し、19年6月に2度目の挑戦でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得して日本人初の4階級制覇を達成。身長1メートル63.5、リーチ1メートル64の右ボクサーファイター。家族は夫人と2男。
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