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井岡一翔5度目防衛!大みそか「統一チャンピオンに」 ニエテスに判定勝ちでリベンジ

[ 2022年7月13日 22:12 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ   ○WBOスーパーフライ級王者・井岡一翔―同級1位ドニー・ニエテス● ( 2022年7月13日    大田区総合体育館 )

防衛に成功し引き揚げる井岡(撮影・島崎忠彦)
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 WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(33=志成)がリベンジに成功した。世界4階級制覇同士の対戦で同級1位の前王者ドニー・ニエテス(40=フィリピン)に3―0で判定勝ち。1―2の判定で敗れた18年12月以来3年7カ月ぶりの再戦を制し、5度目の防衛に成功した。井岡は世界戦通算20勝目(2敗)。昨年中止となった他団体王者との統一戦実現へ望みをつないだ。

 試合後、井岡はリング上で「ありがとうございました。3年7カ月前にマカオで負けた相手に、こうしてリベンジすることができました。KO勝ちを皆さんにお見せしたかったんですけど、ドニー・ニエテス選手はテクニックが凄いあったので、倒しきることはできなかったですけど、こうして完封して明確に勝てて良かったです」と喜びを語った。統一戦については「年末にまた組んでもらえるように陣営に動いてもらって、大みそかに統一チャンピオンになっている姿を皆さんにお見せしたいので、引き続きたのしみにしていてください」と意欲を見せた。

 「同じ相手に2度も負けるわけにはいかない」。井岡が現4階級制覇王者のプライドを示した。プロでの再戦はフライ級時代のレベコ(アルゼンチン)戦以来。判定勝利での王座奪取からTKOで防衛してみせたレベコ戦と同様、今回も再戦で真骨頂を発揮した。

 統一戦を熱望する井岡が望んだ試合ではなかったが、戦う理由は十分だった。ニエテスには18年大みそかに行われたWBO王座決定戦で判定負けし、先に4階級制覇を達成された。当時はスーパーフライ級転向2戦目。ディフェンスとフィジカルに優れた相手に有効打を打ち込めず、至近距離でのパンチに苦しんだ。その後自身も4階級制覇を達成して防衛も4度。雪辱の思いも薄れたが、再戦決定で闘志に火がついた。

 「統一戦をやりたかったが、このタイミングで再戦が決まったのも運命。けじめをつけて次のステップにいかないといけない」。3年間で肉体と戦い方はスーパーフライ級仕様へ変化。ニエテス対策としてガードやポジショニングを見直し、ジャッジにアピールしやすいように攻防のメリハリも意識してきた。

 家に帰れば8月で3歳になる長男・磨永翔(まなと)くんをお風呂に入れたり、一緒に遊ぶイクメン。22日に恵美夫人が第2子を出産予定で「産まれてくる瞬間を王者として迎えてあげたい」と新たなモチベーションにした。昨年のドーピング騒動などつらい時期を支えてくれた家族が増えれば、戦う理由も増えるのは当然だった。

 昨年末、IBF王者アンカハス(フィリピン)との統一戦が決まりながら新型コロナウイルスの影響で中止。アンカハスは今年2月にマルティネス(アルゼンチン)に敗れたものの、再戦する予定があるという。その勝者との統一戦へ、井岡が明確に資格を得た。

 ▼井岡VSニエテス初戦VTR 18年12月31日、マカオのホテルで行われたWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で対戦。序盤は接近戦もお互いにガードが硬く有効打が少ない展開となり、中盤から井岡がアウトボクシングを試みて手数を増やすも、打ち終わりに見栄え良く強打を放つニエテスが後半にポイントを獲得。採点は118―110、116―112、112―116で、2―1判定勝ちのニエテスが先に4階級制覇を達成した。

 ◇井岡 一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日生まれ、大阪府堺市出身の33歳。興国高で6冠を達成し、09年4月にプロデビュー。11年2月にWBC世界ミニマム級王座、12年12月にWBA世界ライトフライ級王座、15年4月にWBA世界フライ級王座を獲得。17年末に引退を発表したが、翌年に現役復帰し、19年6月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得して日本人初の4階級制覇を達成。身長1メートル64・6、リーチ1メートル66の右ボクサーファイター。家族は恵美夫人と長男・磨永翔(まなと)くん(2)。

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