中谷正義がロマチェンコ戦以来1年ぶりの再起戦に76秒KO勝ち「進退をかけた試合でプレッシャーあった」
ボクシング・137ポンド契約10回戦 ( 2022年6月13日 後楽園ホール )
元東洋太平洋ライト級王者でWBC同級13位の中谷正義(33=帝拳)が約1年ぶりの再起戦に1回1分16秒KO勝ちした。フィリピン同級2位のハルモニート・デラ・トーレ(28=フィリピン)からまずは右ストレートでダウンを奪い、続いて左ボディーで倒してテンカウントを聞かせた。中谷は22戦20勝(14KO)2敗、デラ・トーレは26戦22勝(14KO)4敗。
中谷は「自分の中では進退をかけた試合だったのでプレッシャーがあった」と打ち明けた。1年以上のブランクから現役復帰して帝拳ジムへ移籍し、20年12月に米ラスベガスでフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に逆転TKO勝ちも、昨年6月には同じくラスベガスで元世界3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に9回TKO負け。4月にミドル級の村田諒太、今月4日にはスーパーフェザー級の尾川堅一とジムの中重量級の世界王者が敗れており、「進退を考える年齢でもあり、不甲斐ない試合はできない、まだいけるとアピールできる試合にしないといけないと思っていた」と説明した。
3試合続けて米国での“格上”相手との戦いが続き、「あまりプレッシャーがなく全力を出すような試合をしていたが、それでは頭打ちになると感じていた」。ロマチェンコ戦ではガードや体の位置など相手の基礎的な部分が勉強になったこともあり「この1年は基本をもう一度やってきた」という。試合前のミット打ちで元2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーの指摘を受け、「上に行く感じだったのを打ち下ろすようにした」右で最初のダウン。「上を効かせたら絶対にボディーを打つと思っていた。セオリーなので」と仕留め、「かなりホッとしてます」と笑顔を見せた。
国内での試合は約3年半ぶりで、後楽園ホール登場は8年5カ月ぶり。「海外では寂しかったので、日本で日本人に応援してもらえて力をもらえた」と喜び、「後楽園のリングは狭く感じた。お客さんの距離が近く感じられて雰囲気はいいですね」と振り返った。世界挑戦については「この1年やってきた練習が無駄ではなかったと証明できた。焦らず、試合が決まったらモノにできるようにしっかり練習していきたい」と抱負を述べた。
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