入江 女子フェザー級金王手!カエル好き20歳が歴史をカエル、3日決勝もカエル作戦

[ 2021年8月1日 05:30 ]

東京五輪第9日 ボクシング女子フェザー級準決勝 ( 2021年7月31日    両国国技館 )

ボクシング女子フェザー級準決勝で英国選手(左)を破り、決勝進出を決め跳び上がって喜ぶ入江。銀メダル以上が確定した
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 女子フェザー級準決勝で入江聖奈(20=日体大)が19年世界選手権銅メダルのカリス・アーティングストール(26=英国)に3―2で判定勝ちして決勝に進出し、銀メダル以上を確定させた。12年ロンドン五輪から採用された女子ボクシングで日本のメダル獲得は初めて。目標の金メダルへ一歩前進した。

 カエルのように?跳びはねた。「パワフル英国戦士」の異名を持つアーティングストールに僅差の判定勝ち。勝利が告げられた瞬間、入江は全身で喜びを表現した。

 サウスポーとの一戦は序盤から相手の手数に押されたが、要所で左ジャブ、右ストレートを的確にヒットさせて1回を先取。2回を相手に奪われたものの、最後は「負けたら一生後悔すると思って頑張りました」と気迫で競り勝った。

 カエル好きを公言する20歳は自称「逆上がりもできない運動音痴」。平泳ぎも「日体大に入ってからフォームを習得できた」という。それでも入江には友達が1日で覚えることを1カ月かかってもできるまで続ける粘り強さがあった。中1の時に20年五輪の東京開催が決まり、目標に定めた夢の大舞台で躍動。

 「自分の成長はカエルみたいに目に見えて分からない。あまり強くなっていないと思っていたけど…。ちょっとずつカエルに近づいているのかな」

 この日、全幅の信頼を寄せるシュガーナックルジム会長で日本連盟の女子強化委員長も務める伊田武志氏が相手に力負けしないように授けたのは「強気のツノガエル作戦」。強打が持ち味のサウスポーの相手に対し、左腕を角のように伸ばして圧力をかける。相手のパンチが外回りになったところを逃さず中に入る狙いだ。入江は「ドシッとしていて攻撃力が強そうなので。ぴょんぴょんの方じゃなくて、圧をかける方にしました」と独特の言い回しで説明。悲願の達成へ一つ壁を突破した。

 3日の決勝では19年世界選手権覇者のペテシオ(フィリピン)と対戦する。過去2勝1敗だが、世界選手権では準々決勝で敗れている強敵。伊田氏は丁寧な攻めが鍵になるとみて、作戦は「詰め将棋をするトノサマガエル」と表現。入江は「相手はパンチが強いので、もらわない意識を強く。でも、後手にならず、倒してやるぞくらいの強い気持ちで右ストレートを打ち込んでいきたい」と意気込む。

 日本人女子で初めて五輪のリングに立ち、そしてメダル獲得。「(金を獲ったら)もう、羽が生えてきそう。カエルに。本当に凄いことだと思うので目指したい」。次はゴールドに輝く頂点に向かってジャンプする。

 【入江 聖奈(いりえ・せな)】

 ☆生まれとサイズ 2000年(平12)10月9日生まれ、鳥取県米子市出身の20歳。身長1メートル64の右ボクサーファイター。名前はF1ドライバーのアイルトン・セナから。

 ☆競技歴 母が持っていた漫画「がんばれ元気」を読み、小2から米子市内の「シュガーナックルジム」でボクシングを始め、中学時代は陸上800メートルでも活躍。米子西高進学後からはボクシングに専念。得意なパンチは左ジャブ、右ストレート。

 ☆実績 18年全日本選手権優勝。18年世界ユース選手権銅メダル。19年世界選手権8強。中学までは無敗で、高1の高校総体で並木月海に初黒星。

 ☆同級生 飛び込みの東京五輪代表・三上紗也可は小、中学の同級生。また、日体大では柔道女子52キロ級金メダルの阿部詩と同学年。ただ、学科が違うため「認識されてるかは分からない」。

 ☆趣味 YouTube観賞やゲームなどインドア派。選手村にはニンテンドースイッチを持ち込んだ。また、カエル好きを公言しており、「ナショナルジオグラフィックという番組でカエルの企画があったらロケに同行させてもらいたい」と熱望。

 ☆カップ麺 海外遠征には必ず持参。お気に入りは「日清焼そばUFO」。「でも最近は一平ちゃん(明星食品)も来ていて、マヨネーズ入れると一平ちゃんが勝っちゃう」

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