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中谷潤人 “山中の道”長期政権へ意欲 王座獲得から一夜明け

[ 2020年11月8日 05:30 ]

WBOフライ級の王座獲得から一夜明け、ベルトとトロフィーを手に笑顔を見せる中谷潤人(M・Tジム提供)
Photo By 提供写真

 ボクシングのWBO世界フライ級新王者となった中谷潤人(22=M・T)が王座獲得から一夜明けた7日、リモートで会見し、長期政権へ意欲を示した。6日に東京・後楽園ホールで行われた王座決定戦でジーメル・マグラモ(26=フィリピン)に会心の8回KO勝ち。念願のベルトを手にした中谷は「思ったより重かった」と感慨に浸り、「自分は防衛というものに価値を見いだしているので頑張って防衛を重ねたい」と決意を語った。

 4階級制覇王者の井岡一翔(Ambition)や3階級制覇の井上尚弥(大橋)をはじめ、最近は複数階級制覇を目指す傾向が強く、中谷が獲ったタイトルの前王者である田中恒成(畑中)も4階級制覇を目指して王座を返上した。だが、中学時代に三重の自宅練習場に掲げた夢が「フライ級世界チャンピオン」だった中谷の階級へのこだわりは強い。1メートル71の長身で、将来的には50・8キロのフライ級からの転級も視野に入れているものの、12連続防衛を果たした憧れの山中慎介氏が9年前に世界王者になった同じ11月6日に戴冠したこともあって、防衛への思いを強くした。

 前夜は4時間ほどしか眠れなかったが、試合映像はしっかりチェック。「結果はよかったけど内容的には反省点もある。強い選手と戦っても勝てるように、しっかり練習して成長したい」と早くも先を見据える。対戦したい相手にはWBO同級2位アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)の名を挙げた。

 ネクスト尚弥とも、ゴッドレフトの後継とも期待されるホープ。ほぼダメージもないため、1週間後には再始動する予定だ。

 ▽日本人世界王者の連続防衛 最多記録はWBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高の13。次いでWBC世界バンタム級王者・山中慎介の12、WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志の11。現役最多はWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗の7連続防衛だが、井上尚弥が3階級、井岡一翔が4階級でそれぞれ計12度の防衛に成功している。

 《岡辺トレーナー「見るたび強く」》米国で中谷を指導するルディ・エルナンデス氏が来日できなかったため、会見にはチーフセコンドに入った岡辺大介トレーナーも同席。「リングの真ん中で戦う、正面に立たずアングルをつけるなど指示通り。安心して見ていられた」と中谷の戦いを振り返った。ロサンゼルス在住で15歳の時から中谷を知る岡辺氏は「見るたびに強くなっている」と新王者を称えた。

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