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比嘉 初防衛、デビュー14連続KOで決めた 日本記録に王手

[ 2017年10月23日 05:30 ]

WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦   ○王者・比嘉大吾 7回TKO 同級5位トマ・マソン● ( 2017年10月22日    両国国技館 )

WBC世界フライ級タイトルマッチ 7R、TKO勝利にコーナーポストに上がりガッツポーズの比嘉
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 WBC世界フライ級タイトルマッチは王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、同級5位のトマ・マソン(27=フランス)に7回1分10秒、TKO勝ちを収めて初防衛に成功した。デビュー以来の14連続KOを飾り、浜田剛史らが持つ15連続KOの日本記録に王手をかけた。試合後にはWBA同級王者の井岡一翔に大みそかの統一戦を呼び掛けた。

 拳をねじ込む。その表現がぴったりの比嘉の猛攻だった。「これは厳しい。もしかしたら倒せないかも」。両腕を体に密着させたマソンの強固なガードに不安を覚えた。しかしアッパーの3連打、4連打、フックを交えたコンビネーションなど、ぐいぐいとガードの隙間に押し入れていった。

 序盤は左ボディーを中心に攻め、中盤からは「相手の右目が切れているのが分かった」と畳みかけた。7回には狙い通りに左の強烈なジャブがマソンの右目を直撃。膝をついたマソンはすぐに立ち上がったが、医師の診察を受けた後に試合を諦めた。

 難しいといわれる初防衛戦。「入場する時に一気に緊張感がきた」というが、宣言通りのKO初防衛に「ホッとしてます。僕はうれしい」と息を吐き出した。「練習がハードなので判定勝ちだと割に合わない。KO記録は絶対に伸ばしていきたい」。王者乱立のボクシング界で「目立たないと認められない」という危機感も支えになっていた。

 リング上では「井岡さん、大みそかでも構いません。統一戦で戦いましょう」とさらなるアピールも。10キロ近い減量のある比嘉は「長期間空いたら減量がきつくなる」と2カ月後の試合に前向きで、具志堅会長も「本人ができるならいいねえ」とゴーサイン。KO記録、日本人同士の統一戦、沖縄での防衛戦。「ボクシングは勝たないといけない」と言い切る比嘉は、勝って王者の夢を切り開いた。

 【比嘉―マソンVTR】比嘉が圧勝。堅い防御のマソンを、角度をつけたパンチで崩した。序盤から接近して左右のボディーを繰り出し、ガードを割るアッパーやフックも有効。7回に左を顔面に当て、ダウンを奪った。リーチで勝るマソンは距離を取るジャブが少なく、打ち終わりを狙うだけ。7回に負傷した右目を気にして、レフェリーが試合を止めた。

 ◆比嘉 大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日、沖縄県浦添市生まれの21歳。中学までは野球で三塁手、投手、外野手。宮古工入学と同時にボクシングを始め、国体フライ級ベスト8などアマ44戦36勝(8KO)8敗。14年6月プロデビュー。15年7月にWBCユース・フライ級王者、16年7月に東洋太平洋同級王者。17年5月、エルナンデス(メキシコ)に6回TKO勝ちでWBC同級王座獲得。身長1メートル60・8、リーチ1メートル66・0の右ファイター。家族は父・等さん、兄・力斗さん。

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