×

井岡調印式で騒然 挑戦者陣営グローブ色に難クセ30分

[ 2015年12月31日 05:30 ]

グローブのカラーを巡ってレベコ陣営が猛抗議、一法会長(中央)ら井岡陣営も必死に説明するが…

WBA世界フライ級タイトルマッチ 王者 井岡一翔―同級2位 フアンカルロス・レベコ

(12月31日 エディオンアリーナ大阪)
 大みそかに東京、大阪、名古屋の3会場で行われるボクシングの世界戦5試合の調印式と前日計量が30日、各地で行われ、出場する全10選手がクリアした。大阪のWBA世界フライ級タイトルマッチの調印式では挑戦者のレベコ陣営が30分以上にわたってグローブにクレームをつけ、会見が中止になるなど大混乱となったが、2度目の防衛を狙う王者井岡一翔は相手の陽動作戦に動じなかった。

 厳粛な雰囲気で進行していた調印式の空気が一変した。両陣営が契約書にサインし、互いに試合成立を確認した後のグローブチェック。挑戦者レベコ側のプロモーター、オズワルド・リベロ氏が用意された青色ではなく、王者用の黒色を使うと強硬に要求した。意見が通らないとみるや「ノー・ファイト、ノー・ファイト(試合はなしだ)」と大声でまくし立てた。その娘で美人マネジャーのナタリア氏も「なぜ黒色を使わせないの!」と参戦。王者側は「要望があれば契約書を交わす際に言っておくべき。認められない。試合をキャンセルするなら裁判でも何でもする」と応戦し、関係者と報道陣の計40人以上がひな壇前に群がって会場は騒然となった。

 怒号が飛び交う場面もあり、裁定を下すべきWBAスーパーバイザーのレンソ・バグナリオル氏が「こんなに大勢で話し合っても解決するわけがない。プロモーター同士で話し合ってくれ!」とサジを投げるほどの混乱が30分以上も続いた。この影響で予定されていた記者会見と写真撮影はキャンセルされた。

 騒動が収拾できないまま実施された計量も、やや荒れた。井岡はリミット50・8キロで一発パスしたものの、レベコはわずかにオーバー。王者側から「アウト!」の歓声も上がった。レベコは直後に黒色パンツを脱ぎ、全裸で何とかパス。挑戦者は調印式前から、つばを出すためのガムをかみ続けており、グローブに関する抗議は計量開始を遅らせるための時間稼ぎと思わせるほどだった。

 終始、泰然と構えていた井岡は「僕自身は問題ない。いつも通りの平常心」と受け流した。29日の世界戦では井上尚弥、八重樫東(大橋ジム)が快勝。「試合は見ました。僕は僕で“唯一無二”を志してやっている。やり残すことがないように暴れたい」

 悲願の3階級制覇を達成した2015年を圧倒的な強さで締めくくる――。鮮やかなKOシーンをイメージしていた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年12月31日のニュース