【赤星憲広 視点】“弱い”球を一発で捉えた阪神・高寺望夢の際立つ勝負強さ 

[ 2026年5月7日 01:15 ]

セ・リーグ   阪神2―0中日 ( 2026年5月6日    バンテリンドーム )

<中・神(9)>6回、高寺は勝ち越し2ランを放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神は、わずかに見せた相手の隙を、ものにした。

 0―0の6回無死一塁、打席には1番・高寺。走者が投手・高橋なので、送りバントは可能性が低い。ただ、いろいろな作戦が考えられる場面でもある。初球の、高めに大きく外れたボール球を高寺はバントの構えを見せつつ見送った。ベンチからおそらく「待て」のサインが出ていた。

 高寺は相手のシフトを1球見て、最悪でも走者が入れ替わる形にすべく、引っ張ろうとしたのだろう。ここで初球のバントの構えも生きた。

 中日バッテリーが、まだバントなのか、強攻なのか半信半疑のままで投じた真ん中高め真っすぐは、少し“弱く”感じた。高寺はそれをやや泳ぎ気味に前でさばき、右翼スタンドまで運んだ。1打席目の一ゴロも、2打席目の三ゴロもいい当たりで、いずれも直球にタイミングは合っていた。そこに前2打席よりも球威が落ちた直球が来て、それを一振りで捉えた。この回、先頭の高橋が左前打して“まさか”の状況で生まれたワンチャンス。高寺の勝負強さが、際立つ一打と言えた。

 現状「1番・中堅」の争いで1歩も2歩も抜け出した感がある。内外野どこでも守れる上に、勝負強さを備えた打力がある。近本の復帰後もどこかのポジションで起用したくなるものを見せている。 (本紙評論家)

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