こどもの日バージョン【うちたまさや の ついきゅう】失敗や不安に立ち向かおう

[ 2026年5月5日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神3―7中日 ( 2026年5月4日    バンテリンD )

<中・神(7)>初回、村松に四球を与えてピンチを広げ、肩を落とす門別
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 野球は失敗(しっぱい)の多いスポーツです。一流(いちりゅう)とされる3割打者でも10回のうち7回は失敗。守ればエラーがつきものです。

 投手のエラーは四球や死球です。19世紀、大リーグでは四球はエラーと記録されていました。

 阪神投手陣は四球7、死球1と8四死球を与(あた)えました。これまでセ・リーグで一番少ない78四死球、1試合平均で2・6個でしたが、この日は乱(みだ)れました。

 それに昔(むかし)から「四球は失点(しってん)(得点(とくてん))につながる」と言われています。この日も5回裏の1点以外の失点には必ず四死球がからんでいました。

 四死球は投手のコントロールの問題もありますが、打者に向かっていく、戦う姿勢(しせい)の問題でもあります。打たれることをおそれていては勝負(しょうぶ)になりません。おさえるか、打たれるかという結果(けっか)ばかりを考えていてはいけません。ふだん練習してきた力を思いきりぶつけるのが試合なのです。

 藤川(ふじかわ)球児(きゅうじ)監督(かんとく)も「ゲームは勝負(しょうぶ)の場」だと言います。この日、今シーズン初めての登板(とうばん)で先発(せんぱつ)した門別(もんべつ)投手は5回5失点で負け投手となりました。1回、先に3点を取ってもらっての立ち上がり、連打、四球、本塁打で4点を失い、逆転されてしまいました。

 さらに二塁打を浴びたところで、 藤川監督がマウンドにやってきました。藤川監督が投手のもとに出むくのは初めてです。何を話したか答えませんでしたが、たぶん打者に向かっていく姿勢を伝えたのだと思います。次の打者から投球が変わりました。プロ4年目の門別投手はこの経験(けいけん)が勉強になります。

 『マネー・ボール』という本を書いたアメリカの作家、マイケル・ルイスさんが自分の少年野球時代を書いた『コーチ』という本があります。コーチに教わったのは<試合の勝ち方でもない。もっとだいじな事柄>でした。<人生に真(ま)っ正面(しょうめん)からのぞんだとき必(かなら)ずぶつかる、二つの大きな敵(てき)――不安(ふあん)と失敗(しっぱい)――にどう立ち向かうかだ>。

 コーチは言いました。「自分の弱さを直視(ちょくし)できるだけの強さをない者は、たくましい戦士(せんし)にはなれない」。もとは大リーグの名監督、ルー・ピネラのことばだそうです。

 人間はだれもが弱さをもっています。自分の弱さをわかったうえで練習して、試合で相手に立ち向かっていくのです。

 こどもの日にあわせ、全国の少年少女に向けて書きました。 (編集委員(へんしゅういいん))

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