8年目突入の阪神・筒井壮チーフC「青空走塁塾」 完コピフォーム特訓に森下翔太「凄く助かっている」

[ 2026年4月14日 05:15 ]

23年、筒井コーチ(右)の指導を受ける森下(中央)と小幡
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 阪神に関する話題を深掘りする、硬軟織り交ぜた新コーナー「虎のトリセツ」の第1回は、試合前練習で行う筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチ(51)による「青空走塁塾」を取り上げる。“走る虎”を進化かつ深化させ続ける、「完コピ指導」とは――。

 ホームでもビジターでも、毎試合前に必ず行われる特訓がある。ウオーミングアップを終え、打撃練習へと移る隙間時間。多い時は6~7人が受ける青空塾。科目は「走塁」。今だと嶋村、小幡、高寺、岡城、前川、中川、福島らが受講生だ。

 ある日の時間割を再現する。ファウルゾーンに集まった若虎の1限目は、反射トレーニング。3~4人ごとに列を成し、両拳を握った筒井コーチと正対。「パー」に変わった手の方に走り出す。2限目は盗塁トレーニング。筒井コーチを投手に見立て、二塁方向へスタートを切ったり、けん制で帰塁したりを繰り返す。その際に目を引くのが、筒井コーチの“完コピ”フォームだ。その日対戦する可能性が高い投手の特徴を完全再現。利き手、クセ、足の上げ方など、細部にまでこだわる仕上がりは、至高の教科書と言っていい。

 少しでも反応が遅れると「おーい!」と突っ込む先生の声が響きわたる。過度な緊張感はなく、かといって緩さも皆無。時間にして10分前後。未来ある選手たちに走塁の基本を叩き込む鍛錬は、筒井コーチが1軍首脳に昇格した19年に始まり、8年目に突入した。主目的には、若手選手の底上げがある。

 常に試合に出るレギュラー陣は、緊迫した実戦の中で経験を積むことができる。一方、控えメンバーは“実地研修”が少なく、いざ土壇場に放り込まれた際に、緊張から足が動かないことも起こりえる。「とにかく体で覚えること」を念頭に置いた継続的な練習で、幾多の「走れる選手」を育て上げてきた。

 今では主力の一人、森下も“卒業生”の一人だ。1、2年目までは入塾しており「(筒井コーチは)データがほぼ頭に入っている。自分は走塁の意識も高く持っていたいので(完コピフォームは)凄くイメージしやすい。とても助かっている」と感謝が尽きない。

 森下と同い年で、今季の開幕遊撃だった小幡も「“この動き、筒井コーチとやったな”とか、ベンチで見てても“(相手投手が)同じ動きをしてるな”と思うこともある」と確かな成果を口にする。

 猛虎は19年以降、24年を除く6シーズンでリーグ1位の盗塁数をマークする。数字に表れない好走塁も含めた「走る虎」の基礎は、選手と首脳陣の地道な取り組みによって築かれている。 (八木 勇磨)

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