【筑後鷹】ソフトバンク・川口冬弥 奪三振率アップで憧れの1軍マウンドに戻る

[ 2026年3月3日 06:00 ]

筑後ファーム施設で練習を終えた川口(撮影・昼間 里紗)
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 ソフトバンクの2年目右腕・川口冬弥投手(26)は、昨年の誕生日だった10月26日に球団からの電話が鳴り、翌日27日に戦力外を通告された。何も考えられない時間が続いたが、1軍のマウンドに戻りたいという気持ちは揺るがなかった。10月から腰痛のためリハビリ生活を送り、育成選手として再契約。2月23日に約5カ月ぶりに打者相手に投球するなど、復帰は目前だ。

 川口は1軍の舞台のとりこになっている。「あの脳汁が出る感覚を味わったら、またあそこに戻りたいと思う」。ルーキーイヤーだった昨年6月に支配下登録されると、同21日の阪神戦(甲子園)でプロ初登板を果たすなど5試合に投げた。

 ただ、7月15日のロッテ戦以降は2軍に戻り、そのままオフに戦力外通告を受けた。球団から育成選手で再契約を打診された。当時を「ぼーっとした時もあった」と振り返る。しかし、右腕には輝く舞台の楽しさを知ってしまった以上、もう一度、上を目指す以外の選択肢はなかった。

 昨季終了時から腰痛のためリハビリ組に合流し、以前から気になっていた股関節の使い方を徹底的に見直してきた。「この体だったらもっと球速が出てもおかしくない」とボールにロスなく力を伝えられるフォームを追求している。また、球の伸びにもつながると考えており、“生命線”と自信を持つ決め球のフォークと球速差が広がることで、空振りを奪えると考える。「三振は魅力的。楽しいし、勝ちに直結する」。奪三振数アップは、今季の目標の一つだ。

 リハビリは順調で現在、腰の痛みは全くない。2月23日に打撃投手として約5カ月ぶりにマウンドに立ち、打者9人に投げて安打性の当たりは2本。バッターに向かって投げる感覚を思い出した。

 目指す選手像を「諦めかけている人の希望になる選手」と時間をかけて答えた。小学3年からこよなく愛する日本の6人組ロックバンド「UVERworld」は常に心の支え。登場曲に使う「在るべき形」は川口にとって特別な一曲だ。“誰に期待されてなくていい。誰もがあなたの願いに絶望を抱いてたとしても”。学生時代も特別な活躍はなく、目立つことが少なかった野球人生。周囲から期待すらされていなかったときに、何度もこの歌詞に救われてきた。

 次は川口が救う番だ。「自分がマウンドに上がった時に、見ている人がワクワクするようなピッチャーになりたい」。三振で魅せる投手になり、必須過程である支配下復帰をつかんだ先に夢が続いている。野球を通して希望を与える。その目はやる気に満ちあふれている。
 (昼間 里紗)

 ◇川口 冬弥(かわぐち・とうや)1999年(平11)10月26日生まれ、奈良県出身の26歳。東海大菅生ではベンチ入りできず。城西国際大からクラブチームのハナマウイ、四国・徳島でプレーし、24年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。好きなスイーツはチーズケーキ。背番号132。1メートル87、87キロ。右投げ右打ち。

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