【球影 あのシーンを検証】阪神・中野拓夢 “下半身”で決めた高難易度バント 日本Sでも「準備」

[ 2025年10月22日 05:15 ]

10月15日、CSファイナルS第1戦で6回に送りバントを決める阪神・中野
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 阪神戦のワンシーンを深掘りする企画「球影」。今回はDeNAと対戦した15日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)第1戦(甲子園)で犠打を成功させた中野拓夢内野手(29)をフォーカス。見事な技が無敗突破への流れをつくった。本紙評論家・矢野燿大氏(56)は評価のポイントに「下半身の使い方」を挙げた。25日にはソフトバンクとの日本シリーズが開幕。頂上決戦でも伏兵がバントで勝機を呼び込む。(取材・構成 鈴木 光)

 CSファイナルS突破に、大きく貢献した技があった。DeNAとの第1戦。0―0で迎えた6回無死一塁での中野の送りバント成功だった。

 これで二塁に進んだ近本が、打者・森下への初球に、意表を突く三盗に成功。先発・東を足で揺さぶり、1死三塁から森下の中前打で先制点を奪い試合の主導権を握った。本紙評論家・矢野氏は「簡単に決めたように見えるけど、難しい球をうまく中野が決めた。あれで流れを引き寄せたと言ってもいい」と難易度が高いバントだったと認めた。

 初球で決めた。東の125キロスライダーは外角低めいっぱいに変化した。「確かに簡単ではなかった」と振り返った中野は「バントのシチュエーションではスライダーというデータもあった。それは頭に入れていた」と事前の準備で相手バッテリーがどのような配球でバントを阻止しようとするかをシミュレーションしていたことを明かした。

 「手だけでバントしにいったら、ミスにつながる。手だけじゃなく下半身で粘って、しっかりついて行ったからこそ、最後までボールに食らいついていくことができたと思う」

 手だけで当てにいくと、変化を追いかける形になり、小飛球にもなりやすい。打撃と同じように下半身で対処することを意識したからこそ、一発で成功できた。中野はレギュラーシーズンでも両リーグトップの44犠打を決めてきた。積み重ねた経験と相手の傾向への研究が接戦でのバント成功を呼んだ。

 「やっぱりバントは早く決めないといけない。カウントが進むと、打者の精神状態的にも成功する確率が下がってくる。ファーストストライクで決めることが大事。コースを狙いすぎずに投手前でもいいから、まず転がすことを意識している」

 第1戦ではDeNAは初回無死一塁で桑原がバント失敗。結果的に2死満塁としたものの、無得点に終わったことが最後まで響いた。「一つのミスで流れが変わるのが野球。当たり前のことを当たり前にするためにも準備していかないと」と中野は語る。日本シリーズでもバントが明暗を分ける可能性はある。矢野氏も「近本、中野の1、2番があってこそのタイガースの野球。短期決戦でもこの2人がキーマン」と大一番での冷静なプレーを期待していた。

 ≪今季交流戦ではモイネロから2安打≫

 21日に甲子園球場で全体練習に参加した中野はソフトバンクとの対戦に向けて意気込みを示した。「1位同士でセ・リーグを代表して戦う。交流戦でもパにやられていたので、自分たちがセの強さを証明したい」。今季、交流戦でのソフトバンク戦は9打数4安打で打率・444。難敵のモイネロからも2安打を記録した。「(日本)シリーズになったら、また変わる。いい調整で臨みたい」と語り、「なかなか点は多く取れないと思うけど、ワンチャンスをモノにできるように隙のない野球をしたい」と全体練習でも投内連係でサインプレーの確認などを繰り返した。

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