DeNA「DOCK」に広がるスーツ姿の光景…戦力外の若者たちに明るい未来が訪れることを願うばかり

[ 2025年10月1日 14:00 ]

9月30日に戦力外通告を受けた元DeNA育成の草野は同24日の2軍楽天戦で熱投
Photo By スポニチ

 9月30日。神奈川県横須賀市内のDeNA2軍練習施設「DOCK」に、この時期の毎年の光景が広がった。

 ナインが練習着姿でグラウンドで体を動かす一方、前日まで同じ格好で一緒に汗を流していた若者たちが、スーツ姿で関係者にあいさつし、握手をする。抱擁して涙を流す者もいる。

 つまりその面々は、球団に服装指定で施設を訪れることを指示され、「来季の契約を結ばない旨」を通知された戦力外選手たちだ。

 同日正午の球団リリースには、支配下選手の三嶋一輝、京山将弥、徳山壮磨の名前。続いて、背番号が3桁の「育成選手」の名前が5人続いた。

 草野陽斗、今野瑠斗、笠谷俊介、蓮、粟飯原龍。前ソフトバンクで74試合登板実績のある28歳の笠谷を除けば、全員21歳の「伸び盛り、食べ盛り」の若者たち。

 中には、今季の成績を振り返り「覚悟を決めていた」という者もいれば、「実感がわかない」と悔しがる者もいる。背番号3桁とはいえ、プロ野球選手だった日常が突然なくなり、未来への不安が襲ってくる現実を受け止めることは難しい。

 その場に居合わせた記者は、数人と握手して「これからも頑張って」と声をかけたが、当人たちは上の空に違いない。育成5選手は、全員が「何らかの形で野球を続けたい」と現役続行の意向を示したが、それだって思うようにはいかない世界だ。いばらの道を受けとめている者もいる。

 ふと、自分の21歳の時を思い返した。大学の授業をサボり、「今日も暇だな」と日々の時間を無駄に過ごしていた。生活に不安を感じ、迫り来る未来に緊張感を感じることなどなかった。

 それに比べ目前の光景は、華やかなプロ野球界の裏で起きている辛らつな瞬間。戸惑い続ける彼らに、幸ある未来が待っていることを願うばかりだ。
(記者コラム・大木 穂高)

「DeNA」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年10月1日のニュース