「今が買い」仙台育英・須江監督が断言 ドラフト候補左腕・吉川陽大が持つ「根拠ある伸びしろ」

[ 2025年9月26日 22:56 ]

仙台育英・須江監督 
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 国民スポーツ大会(旧国民体育大会)硬式野球の部は29日に滋賀で開幕する。今夏の甲子園で16強に導いたエースの最速147キロ左腕・吉川陽大投手(3年)はプロ志望届を提出済みで、今大会が10月23日のドラフト会議に向けた最後のアピール機会になる。22年夏の甲子園では東北勢初の甲子園優勝に導いた名将・須江航監督が吉川のストロングポイントを語った。(聞き手 アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

――中学時代は神奈川で無名の存在でしたが、他の投手を視察するために訪れた須江監督の目に留まったことが転機になった吉川投手。高校での成長曲線はいかがでしょうか。

 「2年生の春くらいまでは僕らが想像したよりも早いスピードで成長していました。2年夏には吉川が投手陣の中心の1人として活躍する予定でやっていたんですけど、夏が近づくにつれてパフォーマンスが落ちてしまった。最上級生になった秋も背番号1を付けてはいましたが、本当の意味での信頼を得ていたわけではなかった。昨年の10月時点ではそのような状況でしたが、そこから“1年間でこれだけ伸びるんだな”というすごい成長曲線を描きましたね。想定以上でした」


――最速147キロの直球、切れ味鋭いスライダーを武器にプロ志望届を提出するまでに成長を果たしました。投手としての武器を教えてください。

 「吉川の良さって何なの、と言われたらストレートと同じ腕の振りで変化球を投げられることですね。言葉で言うのは簡単ですが、投げた瞬間に“変化球だ”と思われないことが大事。プロの世界では大きく落ちたり、大きく曲がったりしても打者に“変化球だな”と見抜かれたら振ってもらえません。彼に関してはストレート、カット、スライダー、チェンジアップ、カーブを同じ強さの腕の振りで投げられる。これは特殊能力ですよ。プロに行く理由になると思いますね」


――須江監督は以前から吉川投手の伸びしろについて高く評価していましたね。

 「実は吉川の測定された筋力、ジャンプ力などの数値はまだ高校3年生のレベルに到達していない。身体能力的にはまだ高校2年春くらいの数値しかないんです。それでも投手として高いパフォーマンスが出せているので、プロの食事、トレーニング環境に入ったら大きく成長を期待できる。仮に大学進学を選んだ場合のドラフト候補になるタイミング(4年後)には1位指名を狙える素材だと思います。だからこの段階でプロに進むことは伸びしろしかない。3年後くらいにはアベレージで150キロだって狙えます。大学に進学して4年後にドラ1を目指すこともいいと思いましたが、彼は高卒でプロに行きたいと。変な言い方ですし、僕の言うことではないかもしれませんが、“今が買い”。彼には数字に裏付けされた“根拠のある伸びしろ”があるんです」

 昨年は甲子園未出場と実績の乏しかった長身右腕・山口がポテンシャルを評価され、オリックスから3位指名を受けた。運命のドラフトで「根拠のある伸びしろ」を持つ吉川の名が呼ばれるか注目だ。夢の舞台を目指し、国民スポーツ大会でラストアピールを狙う。

 ◇吉川 陽大(よしかわ・あきひろ)2007年(平19)12月28日生まれの17歳。広島生まれ、横浜市で育つ。小3から茅ケ崎エンデバーズで野球を始め、仙台育英では2年春からベンチ入り。父は元バレーボール女子日本代表監督の正博さん、母は元バレーボール日本代表の博子さん。1メートル75、73キロ。左投げ左打ち。

 ◇須江 航(すえ・わたる)1983年(昭58)4月9日生まれ、埼玉県出身の42歳。仙台育英では2年時から学生コーチで3年時に春夏の甲子園に出場。八戸大(現八戸学院大)でも学生コーチを務めた。06年から仙台育英の系列の秀光中の軟式野球部監督を務め、14年に全国大会優勝。18年1月から仙台育英の監督となり、今夏を含めて8度の甲子園出場に導く。情報科教諭。

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