阪神・藤川監督から石井大智に“エール” 前人未到の世界を知る“先輩”として“まだまだ終わっちゃダメ”

[ 2025年8月18日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神3―1巨人 ( 2025年8月17日    東京D )

<巨・神>試合後、笑顔で石井とハイタッチする藤川監督 (撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 【畑野理之の談々畑】飛びはねるなどド派手に喜びを表現するわけでもなかった。阪神・石井大智がプロ野球新記録となる40試合連続無失点記録を達成。いつものように淡々とベンチへ戻っていった。まだ8回が終わったばかりだとはいえ、石井らしいと言えば、そうなのかもしれない。

 今季、唯一の失点も同じ東京ドームの巨人戦だった。4月4日、7―1の9回に3番手で登板。2死からエリエ・ヘルナンデスに四球を出して次打者・甲斐拓也の2球目に二塁に走られた。記録は投球間の進塁で、「盗塁」が付かないほどの点差がついており、甲斐が中前適時打。勝敗にあまり影響のない「1点」だったが、石井がそれ以降1点も取られていないので、今思えばめちゃくちゃもったいなかったと思う。

 翌5日の巨人戦は無死一塁から併殺で切り抜け、3連投となった6日の同戦は先頭打者のヘルナンデスに二塁打された。こんな感じで大記録が始まるなんて思いもしなかった。

 平たんな道のりではなかったのは周知の通り。6月6日のオリックス戦では広岡大志のライナーを右側頭部に受け、担架で運ばれて退場した。「その試合で僕は2球しか投げていない。その後を湯浅が抑えてくれたり、自分の力だけではなく、守ってくれている野手もチームの皆さんに感謝したい」。40試合を振り返った石井の言葉に人柄の良さがにじんでいた。

 4月17日のヤクルト戦は2死満塁、5月23日の中日戦は無死二塁、7月9日の広島戦も無死二塁、10日の同戦は3連打で1死満塁のピンチを迎えたが、ことごとくしのいだ。5月13日のDeNA戦では1―1の9回1死から九鬼隆平に左中間フェンス直撃の三塁打。ほんの数十センチの差でサヨナラ被弾も免れた。

 藤川球児監督が06年の38試合連続無失点が止まったのは7月12日の広島戦での自身の暴投だった。捕手の野口寿浩がサッカーのゴールキーパーのようにジャンプしたが捕球できなかったシーンは今も覚えている。当時のプロ野球記録だった豊田清(03年西武)の34試合を抜いて5試合後だった。だからなのか、この日、藤川監督は言った。「ファンの楽しみが続く?そのあたりはお任せします。選手たちは道中ですから」。まだまだ終わっちゃダメだよ――。前人未到の世界に足を踏み入れた石井の心境を知る指揮官だからこそのメッセージに聞こえた。

「阪神」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年8月18日のニュース