【甲子園】甲子園にアライバ!仙台育英の1年生二遊間・有本&砂が華麗グラブトス併殺完成

[ 2025年8月15日 05:00 ]

第107回全国高校野球選手権第9日・2回戦   仙台育英6―2開星 ( 2025年8月14日    甲子園 )

<仙台育英・開星>5回、小村のゴロをさばいた仙台育英・有本(右)は遊撃手の砂にグラブトス(撮影・大森 寛明)
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 3年ぶりの日本一を狙う仙台育英(宮城)が開星(島根)を6―2で下した。2―1の5回の守りでは二塁手・有本豪琉(たける)内野手(1年)が、二遊間のゴロを逆シングルからグラブトスし、遊撃手の砂涼人(りょうと)内野手(1年)とのコンビで併殺を完成。「令和のアライバ」ともいえる1年生二遊間「アリスナ」のビッグプレーで流れを渡さず、2年ぶりの3回戦進出を決めた。 

 【光る君のプレー】一瞬のどよめきが大歓声に変わる。甲子園はこんなコンビを待っていた。2―1の5回無死一塁。仙台育英の1年生の二遊間「アリスナ」コンビが、プロでもめったに見られないスーパーダブルプレーを完成させた。

 打球は二遊間を襲う強いゴロ。二塁手・有本が逆シングルで捕球すると、遊撃手・砂の「二つッ!」という声が聞こえた。確実に一つアウトを取るのではなく併殺狙いの「二つ」。声の方向へグラブで絶妙のバックトス。トスを受けた砂は、クルリと左回転で一塁へ素早く送球した。どの動作が少し遅れても併殺にならないプレー。中日の名二遊間「アライバ」コンビをほうふつさせる超美技だった。

 データや配球から打球方向のイメージはあった。ただ、これだけのプレーは練習したこともない。「でも、あそこはバックトスしか併殺にできない。反応というか流れに任せてやった」。有本が言えば、砂も「体勢的にバックトスで来ると思った」と応じた。コンビを組んだのは今夏の宮城大会から。それでも砂は送球が来ると信じ、有本も難しいバックトスを完璧にこなした。1年生同士でもあり、寮生活でもいつも一緒。ぶ厚い信頼関係も原動力だった。

 有本の実家は兵庫県たつの市。3年前の東北勢初優勝を見て進学を決めた。入学すると、阪神Jrだった小6の時「凄く守備がうまいな」と驚いた楽天Jrの選手がいた。それが砂だった。現侍ジャパン・井端弘和監督が率いていた当時のU15日本代表で活躍した砂は「アライバ」のことはよく知っている。「そんなふうになりたい」。砂の思いは有本も同じだ。

 「抜けていたらゲームを落としていた可能性がありますね」と称賛した須江監督は、打力優先で起用する有本の守備をこう称えた。「甲子園は1日で1年分の経験が積める。ドラゴンボールなら1日で1年分の修業ができる“精神と時の部屋”。そういうスピード感で成長してると思う」。有本の「甲子園だからできたプレー」という言葉が全てだった。

 83年夏に1年生の桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」で優勝したPL学園(大阪)に並ぶ歴代5位タイの夏の甲子園通算48勝。まるで42年前のように、聖地が2人の1年生を輝かせた。(秋村 誠人)

 ▽アライバコンビ 中日で長く二遊間を組んだ荒木雅博、井端弘和の愛称。二塁手の荒木が二遊間のゴロをさばき、バックハンドで遊撃手の井端にグラブトスし一塁に送球するプレーが有名。12年夏の甲子園では東海大甲府(山梨)の二遊間が成立学園(東東京)との1回戦で実践。新海亮人が渡辺諒(現阪神)にバックトスし、一塁に送球するプレー(記録は内野安打)を見せた。

 ◇有本 豪琉(ありもと・たける)2010年(平22)1月8日生まれ、兵庫県出身の15歳。飾磨野球クラブで野球を始め、中学では兵庫夢前ヤングに所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒2、遠投90メートル。1メートル75、69キロ。右投げ右打ち。

 ◇砂 涼人(すな・りょうと)2009年(平21)5月21日生まれ、岩手県出身の16歳。小1から洋野ベースボールクラブで野球を始め、中学では洋野リトルシニアに所属。仙台育英では1年夏からベンチ入り。50メートル走6秒4。1メートル68、63キロ。右投げ右打ち。

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