【甲子園】左手指がないハンデ乗り越え攻守に活躍 県岐阜商・横山温大「勇気や希望を与える存在に」

[ 2025年8月11日 12:00 ]

第107回全国高校野球選手権第6日 1回戦   県岐阜商 6―3 日大山形 ( 2025年8月11日    甲子園 )

<県岐阜商・日大山形> 勝利後、アルプスへあいさつに向かう県岐阜商・横山(右から2人目)ら (撮影・亀井 直樹)
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 3年ぶり31回目出場の県岐阜商が日大山形を破り、ベスト4入りした2009年以来16年ぶりに夏初戦を突破した。選抜を含めても15年以来10年ぶりの甲子園白星で、夏は通算40勝目となった。

 0―1で迎えた5回1死二塁から、生まれつき左手の指がない左打者の7番・横山温大(3年)がほぼ右手一本のスイングで右前適時打を放ち同点。さらに2死三塁から9番・渡辺璃海(2年)の左前適時打で勝ち越した。激しい雨による約50分間の中断後、7回1死満塁から2番・稲熊桜史(2年)の左前適時打、押し出し死球、4番・坂口路歩(3年)の中前2点適時打でこの回計4点を奪った。

 横山は8回にも左前打を放って4打数2安打1打点。右手にグラブをはめ、捕球後にグラブを左胸に挟みボールを右手に持ち替えて送球する守備でも右翼と左翼で好プレーを見せた。タイムリーについては「変化球の多い投手だったので、何とか同点に追いつきたいと思って食らいついていきました」と説明。逆方向への2安打目は「左手を最後まで離さずに押し込むことが重要なので」と自己分析した。

 ハンデを乗り越えてレギュラーをつかんだことで注目を集めたが、「自分の体でもできると証明したいと思っていた。これからもそういう場面で示すことはできると思うので、自分が勇気や希望を与える存在になりたいです」ときっぱり。甲子園は「気持ち良かったです。緊張がほぐれてワクワクしました」と話した。

 昨秋主任した藤井潤作監督は、4強入りした09年は副部長としてチームに同行。甲子園練習でノッカーを務めるなど裏方だった。「本当にうれしい。子供たちには“いろんなことを想定内にしよう。何があっても想定内だ”を合言葉にベンチでやっていた」と中断にも動揺はなかったと明かした。

 横山に関しては「子どもの頃から、握り替え一つでも人の何倍も苦労して取り組んでくれた。そこは人として素晴らしい。取材も増えていたので“調子に乗って、芸能人づらするなよ”と声かけしたことがあったけど、そういうことも心配いらない。フワフワしたところがない」と評した。今春は140台の球に苦戦していたというが、「バットを短く持ったり、タイミングを変えたりしながら対応してくれた。ウエートやぶらさがりでも“危なくないか”と声をかけるが、いつも“大丈夫です”と取り組んでいた」と話した。

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