しっかり考えて打席に立っていたデュープ

[ 2025年8月10日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神6-2ヤクルト ( 2025年8月9日    京セラD )

<神・ヤ(18)> 4回、デュプランティエは送りバントを試みるも失敗(撮影・大森 寛明)
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【畑野理之の談々畑】

 2回、坂本誠志郎の中前打と高寺望夢の左前打で無死一、二塁、ここで打席に向かったのは9番で投手のジョン・デュプランティエだった。

 前日、つまり8日の試合前の練習でデュプランティエが打撃マシン相手にバント練習を繰り返しているのを近くで見ていた。横にいた阪神担当記者と「投手は、もうこの練習は再来年からせんでええんやなあ」という会話をした。

 27年シーズンからセ・リーグもDH制度が採用され、投手が打席に立たなくてもよくなる。だから打撃練習もバント練習も、走塁練習も必要なくなる。藤川球児監督はじめ球界ではおおむね賛成派が多いが、投手の打席こそ采配の醍醐味(だいごみ)があると反対意見もゼロではない。ここでは賛否を戦わせるつもりはなく、そんな背景を巡らせながら、1―1の2回無死一、二塁、当然バントやろうなあと想定しながら打席を見た。

 やはりバットを寝かせた。しかし吉村貢司郎の初球が暴投となり、想定外に二、三塁に進んだ。サインはここでヒッティングに変わるのだが、ヘーッと思うことも発見した。デュプランティエの立つ位置がバッターボックスの前方(投手寄り)から後方(捕手寄り)に移動。バントの時と普通に打つ時と変えてるんやと知った。打つ気満々のスイングだったが結果は遊ゴロ。それでもその姿にスタンドからは大きな拍手をもらっていた。

 4回、まったく同じシチュエーションが訪れた。スコアは2―2、坂本が四球を選んで高寺が右前打で無死一、二塁。ここも送るよなあと思っていたら、デュプランティエは初球はバットを引いて見逃した(ストライク)。この後、ヤクルトの中村悠平が本塁ベースの前まで出てブロックサインで内野陣にシフトの指示を出しているのが気になったが、デュプランティエはそのまま打席の前方に立っていたし、やっぱり2球目も3球目もバントの時の位置のまま。ファウルで2ストライクとなった後、スリーバントを試みたが投前に転がり三塁に送球されて失敗だった。1死一、二塁で近本光司の一直で戻れず併殺でチェンジとなった。

 デュプランティエは試合後「バントの時はフェアゾーンに転がそうと、変化球なら曲がりきる前に当てようと前に出るんだ」と理由を説明し、「あとボクの気持ちが前のめりにもなっているしね」と笑った。

 バント失敗や走塁ミスをしたら、ベンチで大目玉を食らうんですよと何度も聞いた投手陣の声を思い出していたら、試合は木浪聖也の決勝押し出し四球や石井大智の無失点試合記録などで快勝していた。

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