【甲子園】健大高崎の「ジョーカー」は左翼手の向井翔!猛練習が実り、「追い風」も吹いた

[ 2025年8月3日 13:16 ]

<甲子園練習日・健大高崎>県大会からメンバー変更でチームに合流した健大高崎・向井(左)(撮影・中辻 颯太)
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 第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)の甲子園練習に群馬代表の健大高崎が登場した。

 群馬大会ではベンチを外れ、スタンドで仲間に声援を送っていた向井翔外野手(3年)は左翼手の位置でシートノックを受けた。群馬大会で優勝した翌々日に発表された甲子園メンバーに滑り込んでいた。

 「甲子園は(群馬大会と)メンバーを変えるって言われた時から自分にできることをやって、レベルアップしようと思っていた」

 群馬大会では石垣元、佐藤、下重、山田、島田、石垣聡、そして内野手と兼任の神崎と投手が7人もメンバー入りし、選抜でベンチ入りしていた外野手の向井が漏れた。発表直後はこの世が終末を迎えたような顔をしていた向井。ただ、希望を与えたのは青柳博文監督の「甲子園ではメンバーを入れ替える」の言葉だった。

 向井は糸を切らすことなく猛練習を続けた。もう一度、健大高崎の選手として甲子園の土を踏むために。群馬大会中、健大高崎担当の記者は向井と何度か球場で会うことがあったが、とても言葉をかけられなかった。ただ、一度だけ珍しく向井から話しかけてきた。

 「今の自分、人生で一番練習しています」

 努力は報われた。この日行われた甲子園練習では背番号19を背負って左翼の位置でノックを受ける向井がいた。

 チーム状況も追い風だった。左肘手術を経て投手に本格復帰した左腕・佐藤龍月は背番号7を背負うが、群馬大会は投手として絶好調だった。自己最速タイの147キロを2度マークするなど世代屈指の左腕に返り咲いた。佐藤を最高の状態でマウンドに送るならば、左翼手や代打での出場機会は限られる。そこで同じく左打ちでミート力が高く、小技もできる向井の需要が高まった。

 甲子園に忘れ物がある。選抜準決勝で敗れた横浜(神奈川)戦では初のスタメンに抜てきされたが、2回無死一塁から送りバントを失敗していた。次打席で甲子園安打を放つも、攻撃の流れを断ち切るバントミスに試合後は「最悪です…」と下を向いていた。磨いてきた小技だったが、聖地のプレッシャーに潰された。

 「うれしいですけど、まだスタートライン。去年の夏、そして選抜の悔しさを晴らしたい」

 健大高崎の「ジョーカー」は向井翔。今度こそ、努力の結晶を聖地に刻んでみせる。(柳内 遼平)

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