【高校野球】済美 逆転サヨナラで大トリ切符 受け継がれていた「上甲スマイル」楽しんで甲子園決めた

[ 2025年7月30日 05:00 ]

第107回全国高校野球選手権愛媛大会決勝   済美4-3松山商 ( 2025年7月29日    松山中央公園 )

<済美・松山商>甲子園出場を決め、歓喜する済美ナイン(撮影・中辻 颯太)
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 第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)の地方大会は29日、西東京、徳島、愛媛大会で決勝が行われ、甲子園に出場する49代表校が出そろった。愛媛大会では、済美が松山商から延長10回タイブレークの末に逆転サヨナラ勝利を挙げ、2018年以来7年ぶり7度目となる夏の甲子園出場を決めた。同点の10回2死一、二塁で牛草智裕外野手(3年)が右翼線へ劇打を放ち、大トリで夏切符をつかんだ。

 済美の選手たちは大会前に決めた。「夏は笑顔で楽しもう」。田坂僚馬監督が「ピンチの時こそ、いい表情で」と伝えてきたからだ。決勝は延長戦に入る激闘となった。それでも滝川晶翔主将(3年)は感じていた。「みんな、いい表情だな」。2点劣勢の延長10回裏に同点に追いつき、なおも2死一、二塁。夏2打席目の背番号13、途中出場の牛草が放った打球は右翼線に落ちる。劇勝で甲子園出場を決めると、ナインはこれ以上ない笑顔を咲かせた。

 甲子園初出場の04年選抜で優勝に導いた済美元監督の上甲正典さん(享年67)は、厳しい局面でも浮かべる笑顔が「上甲スマイル」と呼ばれた。22年夏から指揮を執る田坂監督は04年選抜時の選手で、上甲さんの笑顔を隣で見てきた。「上甲監督は笑顔とか選手を乗せるのがうまかったですよね」。

 恩師が天国に旅立って11年。笑顔の大切さは、現役部員に継承されている。今大会は全試合で背番号10の田河悠斗(3年)がベンチ内のホワイトボードに「笑顔」と書いた。「笑顔をテーマにしていたので、僕が勝手に書いていました。決勝も苦しい展開だったけど、笑顔で声かけができていたと思います」。

 優勝を決めると、同監督は笑顔を忘れて号泣した。「上甲監督のお墓参りに行くと、いつもしかられている気がして…。今日ぐらいは褒めてくれるかな」。大トリでの夏切符の裏には笑顔の力があった。(河合 洋介)

《松山商 24年ぶりの甲子園出場ならず》
 5度の夏の日本一を誇る伝統校は、01年以来24年ぶりの甲子園出場を逃した。エース右腕の小林甲明(3年)は、3―1の10回に3失点で逆転サヨナラ負け。全5試合完投も力尽き、「最後まで一人で投げさせていただき、感謝しかないです」と完全燃焼した。今治西(愛媛)で春夏10度甲子園に導いた大野康哉監督は「(小林と)一緒に甲子園に行きたかった。だけど、この球場のマウンドが似合っていました。本当にいい投手で、誇りに思います」と称えた。

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