簡単にアウトにならなかった阪神の三塁走者・近本 各選手の凡事徹底が連勝をまだまだ伸ばす

[ 2025年7月7日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神5―1DeNA ( 2025年7月6日    横浜 )

<D・神>5回、三本間で挟まれる近本(撮影・須田 麻祐子)
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 【畑野理之の談々畑】5回1死三塁で森下翔太は投ゴロに倒れた。ワンバウンドでアンドレ・ジャクソンのグラブに収まり、飛び出した三塁走者の近本光司も、さすがにこれでは生還できない。三本間のちょうど真ん中あたりで立ち止まった。

 まずは本塁に向かい、ターンして三塁に戻り…を3度も4度も繰り返して最後はタッチアウト。その瞬間に二塁ベースを見やり、打者走者の森下が二塁に到達しているのを確認していた。

 おそらく「ゴロ・ゴー」だったことが予想されるが、あのまま本塁にスライディングしても間違いなくアウト。それなら挟殺プレーに持ち込もうと機転を利かせている。簡単にアウトになっていれば2死一塁からの再開だが、粘って、時間を稼いで、2死二塁からの再び得点圏に走者を置いた攻撃継続につなげた。次打者の佐藤輝明が二ゴロで無得点だったが、最善のチームプレーだった。

 思い出すシーンがある。豊田寛の中犠飛でサヨナラ勝ちした3日の巨人戦。代走出場していた三塁走者・植田海が生還し、豊田が飛び跳ねていた。その時、二塁走者の佐藤輝も、一塁走者の大山悠輔もしっかりとタッチアップしていた。植田の本塁突入と相手送球を確認してからのスタート。やるべき走塁をしてから、その後に豊田をもみくちゃにした。

 飛球の飛距離や、植田の足を考えればセーフが濃厚だが、ずっこけたり離塁が早かったり何が起こるかわからない。その時に2死二、三塁なのか、一、二塁なのかは大きな違い。だから進塁しておくのは鉄則。佐藤輝や大山らがあの状況でも確率1%以下の“もしも”に備えて当たり前のプレーを当たり前に遂行していたのが印象的だった。

 豊田が打席に入る直前、大山の打球がライデル・マルティネスに当たってタイムがかかっていた間に、一塁ベースコーチの筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチが佐藤輝までかけより、アウトカウントと状況から、外野飛球なら三塁走者と同時にタッチアップすることを確認している。

 ちなみに場面が1死なら三塁走者よりも先にアウトになれないし、2点リードされている状況なら二塁走者が重要になるので、タッチアップの判断やスタートのタイミングは変わってくる。

 森下の2発、佐藤輝の21号、そして大山の適時二塁打などクリーンアップの長打が目立ったが、おそらく今の阪神の本当の強さはそんな派手な部分だけではないと思う。たとえ佐藤輝や大山がタッチアップをしていなくても訪れる結果は同じだろうが、サヨナラのシーンでも怠らない凡事徹底ぶり。連勝はまだまだ伸びそうだ。

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