桐光学園・野呂雅之監督が挑む最後の夏 「最大の力」を出す戦いに注目

[ 2025年7月3日 08:00 ]

野呂雅之氏
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 神奈川の高校野球界を引っ張ってきた名将が、今夏限りで勇退する。約40年にわたって桐光学園を率いてきた野呂雅之監督は、最後の夏に向け「新しい桐光学園になっていけばいいと思った。その年のチームの最大の力を出そうと思ってやってきた。それは変わらない」と平常心で臨む。

 パドレス・松井裕樹が2年生エースだった12年夏。甲子園で8強まで進んだ。選手を温かく見守るスタイルは当時から変わらない。イニング間に松井が全速力でベンチに戻ってくるたびに、両手で受け止めていたのが印象深い。

 ミスをした選手がいても、常に穏やか。その理由を聞いたことがある。返ってきたのは、こんな言葉だった。

 「元々、高校生が完璧にできるなんて思ってないからね。できなくて当たり前と思っていれば、できたときに成長を感じられるでしょ」

 確か練習試合だったと思う。ある試合で、外野からの中継プレーで遊撃手がカットマンとなり、三塁につないで走者をアウトにしたことがあった。外野手の送球はショートバウンドだったが、遊撃手がカバーしたことに「ああいうのをサラッとやるプレーがいいんだよね。“どこ投げてんだよ!”とか怒るより、何事もなかったようにアウトにしたのがいいよね」と、うれしそうに話していたことを思い出す。そうやって選手の力を引き出してきた監督だった。

 今春神奈川県大会は2回戦で敗れ、夏はノーシードから頂点を目指す。10日の初戦は、戸塚との一戦。どんな戦いを見せてくれるのか、楽しみだ。(記者コラム・川島 毅洋)

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