シーズン中にコーチ辞任→TV番組出演イ・ジョンボム氏「多くの後輩に…」声明発表も韓国メディア猛批判

[ 2025年7月1日 09:13 ]

2017年に行われたアジアプロ野球選手権で息子のイ・ジョンフ(左)と記念写真に納まるイ・ジョンボム氏
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 かつて中日でプレーした韓国野球界のレジェンド、李鍾範(イ・ジョンボム)氏が韓国プロ野球(KBO)・KTウィズで務めていた1軍打撃コーチの職を離れ、人気野球バラエティー番組「最強野球」の監督に就任した。1日までに現地メディアが報じた。

 韓国メディア「スポーツ朝鮮」によると、前日6月30日に「最強野球」を放送するテレビ局「JTBC」がイ・ジョンボム氏が同番組の監督に就任したと正式発表。同氏のインタビュー映像も公開された。

 「最強野球」は引退したプロ野球選手たちがチームを組んで再び野球に挑戦する番組で、スポーツ朝鮮はこの番組について「野球の発展に役立ったのは明らかだ。野球をよく知らなかった若いファンたちがバラエティー番組で野球に興味を持ち、その過程で球場へ行き、KBO人気も高まった」としている。

 ただ、シーズン中にコーチの職を離れ、芸能界に進出するという選択に野球界、ファンからは批判が噴出。韓国野球界のスター選手、レジェンドであるイ・ジョンボム氏だけになおさらだ。

 イ・ジョンボム氏は6月初旬に番組のプロデューサーと食事をし、その場で監督就任を打診されたが、当初は断っていたという。ところが、数日後に引退した複数の後輩選手から連絡が来て、“番組の中心になって欲しい”と頼まれ、就任を決意。「野球番組の人気で一部の後輩が引退後の第2の人生で多くの人に愛されるようになったが、そうでない後輩も多い。『最強野球』で団結すれば、より多くの後輩にチャンスを与えることができる。その仕事に私も一緒に挑戦したいと思い、監督職を引き受けた」と悩んだ末に韓国野球界がさらに発展するために決断したしている。

 また、「KTウィズのイ・ガンチョル監督も新たな挑戦をしようとする私の考えに理解してくれた」とし「私の決断が野球界で異例の行動として非難されることも知っていた」と批判は覚悟だったとも語っている。

 スポーツ朝鮮はイ・ジョンボム氏のコメントを紹介した上で「芸能はあくまで芸能だ。どんなに真摯に野球をしてもプロ選手は毎日、命がけで試合、練習に取り組んでいる。芸能番組に出演する選手は2、3週間に1試合を撮影するのが精一杯だ。プロ選手のトレーニング量には到底、追いつけない」と厳しい論調で報じた。

 さらに「この監督が巨額の出演料を受け取らず、後輩たちの今後の人生、韓国野球の発展のためだけに本気で番組に取り組んでいたら野球界とファンの怒りはある程度、消えるかもしれない。しかし、『最強野球』に出演した監督、選手の出演料の高さは多くの人が知っている。一般人が簡単に稼げない額だ」とも指摘。「楽なスケジュールでより多くのお金を稼ぐことができる」とも訴えている。

 そして、最後に「バラエティーはバラエティーに過ぎないのに、そのバラエティー番組が人気を得て“韓国野球の発展”を持ち出すのは、あまりにも不愉快。その中にこの監督が巻き込まれたようで、残念でもある」と結び、今回のイ・ジョンボム氏の決断に最後まで首をかしげていた。

 イ・ジョンボム氏は98年から01年まで中日でプレーし、俊足好打で活躍。引退後は韓国プロ野球でコーチとして指導し、17年のアジアプロ野球チャンピオンシップでは韓国代表コーチを務めた。また、息子の李政厚(イ・ジョンフ)は昨年からMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしている。

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