一振りがすべてを変えた マンシー復活の理由は? 開幕直後の不振から、直近43試合は12本塁打47打点

[ 2025年7月1日 08:55 ]

ドジャースのマックス・マンシー(AP)
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 ロサンゼルスタイムズ紙のドジャース担当ジャック・ハリス記者が30日(日本時間7月1日)、マックス・マンシー内野手(34)の現在の好調な打撃は、スイングに関するひらめきが理由だったと報じている。

 チームの最初の30試合が終わった時点で、打率は1割台にとどまり、本塁打はゼロ。10年のメジャーキャリアの中で、スロースタートの経験は何度もあったが、これほどの状況はなかった。転機は5月9日(同10日)だった。オフシーズンを通してスイングを改造し、開幕からの1カ月間も打撃メカニクスの調整に追われていたマンシーだったが、アリゾナでの打席でついにすべてがかみ合った。

 ダイヤモンドバックスのリリーフ投手ケビン・ギンケルの高めの速球に素早く反応、9回に同点に追いつく右前打を放ち、チームは逆転勝利を収めた。その一打で、マンシーはついに長年追い求めてきた打席での感覚をつかんだ。

 同9日を境に、それ以降の43試合での打率は.313、12本塁打、47打点だ。変化の理由は2021年終盤に負ったひじの大ケガと関係があると言う。2018~21年、マンシーはドジャースで118本塁打を放ち、打率.246、出塁率.371と、長打力と出塁能力を兼ね備えた打者として活躍した。

 その完成度の高い打撃の根幹にあったのは、ゾーン全体に対応できるスキル、特に、ストライクゾーン上部の高めの速球に対する対応力だった。しかし2021年シーズン最終戦、ブルワーズのジェイス・ピーターソンと接触して倒れ込み、肘を大ケガ。高めの速球への対応が弱点になった。その後2シーズンは本塁打は出ても打率は通算.204、かつてのスイングを再現するのは難しかった。

 そこで昨オフ、原点に立ち返る覚悟を決めた。アーロン・ベイツら打撃コーチがテキサスのマンシーの自宅を訪れ、オフのテーマを決め、意図的にゴロや低いライナーを打つ練習を重ねることで、高めの球でもスイングの軌道を上から入れるよう矯正した。

 「もともとマンシーには自然なロフト軌道があって、ボールを簡単に空中に運べる。でも、むしろそれが裏目に出て高めを打ち上げすぎることもあった。だから、高めでもラインドライブを打てるように意識した」とベイツコーチ。

 しかしすぐに結果は出なかった。上から叩く意識が強すぎて、後ろ足が早く開き、前肩が突っ込む。バットの軌道が安定しなかった。

 「野球は難しい。すぐに結果を追いたくなるけど、プロセスを信じないといけない。長期的に見ればプロセスが大事だってわかっているけどね」。そして迎えた5月9日、「ノーアウト二塁で、右方向にゴロを打って三塁に送ろうと考えていた」

 9回1点ビハインドの場面、ギンケルの95マイルの高め速球に対して、冬から積み上げてきたスイングで、バットを短く、そしてレベルに出した。打球はライト方向に鋭く抜け、同点タイムリーに。一塁ベースに立ったマンシーの頭の中で、スイッチが入った。

 「バットがすごく短く出て、的確に捉えられた。あの瞬間、ああ、これが理想の感覚だって思った。冬からやってきたことが全部つながった」

 そこから復活劇が始まった。「野球は変わりやすいスポーツ。この感覚がまたすぐ消えてしまうかもしれないこともわかっている。でも今は、体も万全で、打席での感覚もはっきりしている」とマンシーは語っている。

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