【2025スポニチ調査ファイル(1)】滝川・新井瑛太 プロ級フィジカル原動力の投打二刀流 憧れは「火の玉ストレート」

[ 2025年4月8日 08:00 ]

滝川・新井瑛太
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 アマチュア野球の有力選手をリサーチする企画「スポニチ調査ファイル」第1回は、滝川(兵庫)の新井瑛太(3年)。投げては最速151キロ、打っても主砲を担い、投打二刀流を実践する逸材だ。その原動力はゼット社の身体能力測定で総筋力1000キロ超、「インボディ」のスコア92点、FFMI(除脂肪量指数)「23」を誇るプロ級フィジカル。オフ期間で体を縦振りに修正して制球力向上にも取り組んだ右腕は、憧れの「火の玉ストレート」を投じるべく闘志を燃やす。

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 1メートル80、82キロ。投手らしい均整の取れた体格から軽く投じたように見えるボールが、想像以上の球威を帯びて捕手のミットへと収まる。エンジンの大きさこそが、滝川・新井の最大の持ち味。そのパワーは、打撃にも反映される。打っても2年秋までに高校通算10本塁打以上をマーク。打線の中軸を担う主砲でもある。

 「投手としては、力強い真っすぐが一番の魅力で、打者としてはアベレージ、打率が高く、どの方向にも打てる打者だと思っています」

 投打に卓越したパフォーマンスを発揮する逸材。その原動力は、たぐいまれなるフィジカルだ。スポーツメーカーのゼット社が実施する身体能力測定では総筋力1000キロを突破し、特に背筋力は200キロ以上。そして体成分分析装置「インボディ」スコア92点とバランスにも優れる。さらにFFMI(除脂肪量指数)「23」。あまり聞き慣れない指標だが、新井は平然と「プロ平均が20~21と聞きました」と言う。数値は筋肉量が多いほど高くなり、すでにプロの平均値を上回る筋肉質の肉体を誇る。

 投手としての武器は指先の感覚だ。直球の投球回転数はプロ平均値を上回る2400回転以上。加えて、その回転軸は0度という。完璧なバックスピンを効かせることで、打者の手元で伸び上がる直球を体現する。だが、まだ満足はしていない。理想に掲げるストレートには、まだ届いていないからだ。

 「憧れは、藤川球児選手の真っすぐ。やっぱり魅了されるというか、そういう部分があるので。分かっていても打てない真っすぐが投げたいです」

 追い求める「火の玉ストレート」再現へ、研究にも余念はない。直球は「(現役時の)藤川球児さんもそうだと知って」人差し指と中指を付けてボールを握る。「自分が投げたいフォームをつくることができれば、ボールに反映されると思う」と理想のフォームを手にするために、今は股関節の柔軟性向上にも取り組んでいる。

 中学時代は身長1メートル60台の外野手だった。それが中学野球を引退してから身長が飛躍的に伸び、体の成長と比例して、みるみる肩が強くなった。高校入学後、その強肩に目を付けた近藤洋輔監督から投手挑戦を打診され、兼務を始めた。そして外野手が本業だった1年の5月に140キロを計測して自信を深め、同秋から本格的に投手への転向を決断した。

 だが、その時点での評価は「いい選手」。高校卒業後は大学に進学して大企業に就職…そんな青写真を描いて進学校・滝川に入学した新井に転機が訪れたのは、2年春だった。春季神戸地区Cブロック予選1回戦の北須磨戦。最終回に登板した試合後に150キロを計測したと聞いて、心が動いた。「プロを意識し始めたのは、そのときです」。一気に「プロ」が現実味を帯び始めた。そして、最速151キロのドラフト候補右腕として、高校ラストイヤーに臨む。

 課題の制球力向上を見据え、オフ期間は体の縦回転をテーマに掲げて汗を流した。「体が横振りになってしまうと、制球力も左右にズレてしまう。それが縦だったら高めと低めの高低に分かれてくれる。あと体を横振りにしてしまうと、どうしても体の開きが早くなったりする。しっかり縦の回転を意識してやっています」。その一環として縦のカーブの練習を重ねるなど、腕の縦振りを意識した練習に取り組んだ。

 滝川OBの近藤監督に「あれだけの素材に会えるとは…もう、これまで見てきた中で一番の素材」と言わしめる逸材。打者としても「三振が少ない打撃に憧れています」と、同じ左打者の阪神・近本を参考に研さんを重ねる。普段から木製バットを使用して打撃練習に取り組むように、すでに次のレベルを見据えて汗を流す日々を送る。

 現状は投打について「どっちも、本当に捨てきれないくらい大事なんですけど、やっぱり楽しいなと思う部分があるのは、今の投手かなと思います」と話し、将来的には「(プロで)投打二刀流をやりたいです」と意気込む新井。今年3月中旬の練習試合で早くも149キロを計測し、本塁打も放った。U18高校日本代表候補にも選出され、明石ボーイズ時代のチームメートで、当時は「すごい」と羨望のまなざしで仰ぎ見るしかなかった福田拓翔(東海大相模)とともに名を連ねた。今夏の兵庫大会、そして今秋のドラフト戦線で、ともに台風の目となる予感を漂わせる。(惟任 貴信)

 ◇新井 瑛太(あらい・えいた)2007年(平19)10月26日生まれ、兵庫県神戸市出身の17歳。小1から小束山少年団野球部で野球を始め主に外野手。中学では明石ボーイズに所属。滝川では1年夏から背番号9でベンチ入りし、2年秋から背番号1。50メートル走6秒2、遠投100メートル。1メートル80、82キロ。右投げ左打ち。

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