「守備力Zなのに…」神キャッチ 健大高崎・佐伯幸大「奇跡」の裏にあった準備

[ 2025年3月18日 21:22 ]

第97回選抜高校野球大会第1日 1回戦   健大高崎3―1明徳義塾 ( 2025年3月18日    甲子園 )

<明徳義塾・健大高崎>3回、里山の打球を好捕する健大高崎・佐伯(撮影・五島 佑一郎)
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 第3試合で、昨春王者で史上4校目の春連覇を狙う健大高崎(群馬)が昨秋四国大会優勝の明徳義塾(高知)を延長戦の末に下し、初戦突破を果たした。

 健大高崎を担当する記者にとって、最大のサプライズは背番号10の最速145キロ左腕・下重賢慎投手(3年)の先発ではなく、「8番・左翼」で甲子園初出場した背番号19・佐伯幸大外野手(3年)の起用だった。

 守備力、走力の高い選手がそろう健大高崎の中で佐伯は強みと弱みがはっきりしている。広角に長打を放てる打撃力はトップクラスだが、ケガで何度も長期離脱した影響で守備力を高めることができていなかった。ただでさえ、外野の広い甲子園。背番号7の鶴岡太一朗(3年)のスタメンが順当に思えた。

 その佐伯が予想とは異なる活躍で甲子園を沸かせた。0―0で迎えた3回の守備でスーパープレー。4番・里山楓馬(2年)が放った左翼フェンス際の打球に背走し、最後はスライディングキャッチ。場内から大歓声が起きた。

 これには一塁側アルプススタンドの仲間たちもびっくり仰天。野球ゲーム「パワプロ」の能力値ではSが最高評価でGが最低評価。「佐伯は守備力Z(Gよりも低い)なのに…」とジョーク混じりに拍手を送っていた。

 バットでは3打数無安打で途中交代となったが、延長タイブレークに突入した投手戦において価値のある好プレーだった。試合後、青柳博文監督にスタメン起用の意図を聞いた。

 「勝負を決める長打を打ってくれればというところ。いけるところまでいって代走交代。そういうことを考えていた。アレ(好守)は本当に盛り上がったし、チームに勇気を与えましたよね」

 試合後の取材エリアでは地元紙の取材を受けた佐伯。「もう語彙力なくなっちゃうくらいの歓声、声援。今までにないくらいの雰囲気を感じました」と目を輝かせていた。ただ、スーパープレーはまぐれではなく必然だった。「いや、もうアレ(背走)はとことん練習してきたので、(打った瞬間)体を後ろに倒すことを意識してきました。練習通りのプレーができました。でも奇跡。奇跡ですよね」と汗をぬぐった。

 選手に力を与える大甲子園。開幕日からそのパワーを実感させる超美技だった。(アマチュア野球担当・柳内 遼平) 

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