日本ハム・万波 青春をささげた甲子園 「順風満帆でなくて、プロになった今ではよかった」

[ 2024年6月4日 12:00 ]

今季交流戦開幕シリーズで甲子園の打席に立つ万波
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 【万波中正の万thly日記】日本ハムが誇る主砲・万波中正外野手(24)が、日常をコラムでつづる「万thly日記」。第4回は今季の交流戦開幕の舞台となった甲子園について。横浜(神奈川)時代には2年夏と3年夏に出場。憧れの聖地を目指した高校時代や、プロでチームメートにもなった吉田輝星投手(23)と勝負など、いろんな思い出を語った。

 今年の交流戦は甲子園でスタートしました。今となっては普通にプロ野球で使う球場って感じですけど、学生の時はやっぱり特別でした。小中学生の時はテレビで見ていましたし、青春をささげた感はありますね。

 横浜を選んだのは甲子園に行ける確率が高くて、僕が東京出身だったので首都圏でやりたかったのが理由でした。甲子園といえば松坂(大輔)さんというイメージがあってどこか憧れがあった気もする。中3の時に練習を見に行って、選手のレベルが高かったし、学生だけど大人扱いしてくれる感じがあったのも良かった。

 1年秋ぐらいまではかなり順調な高校のキャリアだったけど、2年ぐらいからは苦しんだ時期ばっかりでしたね。最後の夏の地方大会前は、1次登録の段階でメンバー外になって、当時は周りが騒然としてました。7月頭ぐらいの2次登録までの期間で、良い結果が出て、最終的にメンバーに入ることができました。

 甲子園ではあまり活躍できなかったけど、高3の夏は印象的。2回戦はジェイ(野村)がいた花咲徳栄と試合して、3回戦は(吉田)輝星がいた金足農に負けた。同期で入団して今でも仲のいい2人と対戦があったっていうのは不思議な縁を感じます。輝星との対戦は凄く覚えている。当時の「吉田輝星」って言ったら、時流のど真ん中にいるような感じで、社会現象レベルだった。

 それまで本当に知らなかったけど、秋田に凄い投手がいると聞いて、動画で見たら「すげえやつが急に出てきたな」って感じでした。映像だと三振したとこばかり出るんですけど、輝星からは一応、2安打しているので。自身の名誉のために言っておきたい(笑い)。8回に逆転3ランを打たれて負けた時は、何かにのみ込まれた気がしました。涙もなく、物語の渦中にいるような不思議な気持ちになったのを覚えてます。

 高校生の当時はとにかく子供で、納得いかなかったら、すぐふてくされたりとかしていた。当時の平田(徹)監督によく怒られたし、厳しくしてもらったのは本当に感謝しています。注目してもらっていた中で挫折慣れじゃないけど、120キロの球だって前に飛ばない時期を過ごした。順風満帆じゃなかったことは凄く良かったとプロになった今になって思う。それこそ、野球が終わった後は、またやったことないことを一から始めなきゃいけないので、そういうところにも生きてきたらいいなと思います。本当に濃密ないい3年間だった。もう一回入るとしても、横浜高校に入りたいですね。(北海道日本ハムファイターズ外野手)

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