【センバツ】日本航空石川・猶明、8回途中1失点に「自分も被災…投球で勇気を与えられたかな」

[ 2024年3月25日 12:51 ]

第96回選抜高校野球大会第6日第1試合 1回戦   日本航空石川0―1常総学院 ( 2024年3月25日    甲子園 )

<日本航空石川・常総学院>日本航空石川・先発の猶明(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 1回戦最後の試合は、4年ぶり3回目出場の日本航空石川(石川)と、3年ぶり11回目出場の常総学院(茨城)が対戦。0―1で敗れ、6年ぶりの初戦突破はならなかった。

 先発した背番号11の左腕・猶明光絆(2年)は、1メートル84の長身から投げ下ろす直球と大きく曲がり落ちるカーブなどを駆使。初回、いきなり先頭打者に左翼線二塁打されたが、後続を抑えて無失点で切り抜けると、2回は3者凡退。3回は1死二塁、4回は1死一、二塁、5回は1死二塁のピンチを切り抜けた。6回1死三塁から右犠飛で先制を許したが、8回途中で降板するまで1失点の粘投を見せた。

 しかし、打線の援護なく敗戦。試合後、猶明は「6回の先頭の四球が悔やまれます。グラウンド整備が終わった後は、時間が空くので初回と同じぐらいの気持ちで投げようと思っていたんですけど、6回は好打順だったんで、力みにつながって四球を出して、そこからズルズル行ってしまった。準備不足で気の緩みがあった」と唇をかみ、能登半島地震については「学校がある輪島と、自分の地元の氷見も大きな被害じゃないけど被災したので。そういう2つの被災地を思って試合に臨みました。投球で勇気を与えられたかなと思います」と話した。そして、スタンドの声援に「後押ししてくれて、とても勇気をもらったというか、強気の投球をしようと思いました」と感謝し、「ここまで長い回は投げたことは秋はなくて。甲子園が決まってから球数とか長い回を投げる練習をしました。そこで体力とか自信がついてきて長いイニングを投げられました。いつもは4回ぐらいで長打とかを浴びて代えられるんですけど、秋とか冬前に比べたら成長したのかなと思います」と話した。

 ナインは、1週間以上前から、午前9時開始の第1試合に合わせて午前4時30分~5時に起床。午後10時就寝を目指し「昼寝禁止」でこの試合に向けて体調を整えてきた。

 能登半島地震で輪島市の学校は大被害を受け、年明けの全体練習開始が1月19日までずれ込んだ。山梨県にある系列校などに練習拠点を移してからも、野球関係者に限らず多くのサポートを受けてきた。「勝利を届けることが1つの恩返し。泥くさく元気にプレーする自分たちの野球で、多くの人が笑顔になれば」と口をそろえるナインが、特別な思いを胸に秘め、普段通りの野球で勝利を目指したが、あと一歩及ばなかった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月25日のニュース