朗希弟 中大・佐々木怜希忖度なしの実力は? 元NPB審判員が「阪神下村になれる」と評価した理由
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大船渡(岩手)の最速143キロ右腕・佐々木怜希投手(3年)は2日、東都大学野球リーグ1部に所属する中大の練習に初参加した。兄はロッテ・佐々木朗希投手(22)。前日1日に入寮し、一夜明けて臨んだ初練習で「レベルの高さを感じました。体をつくって秋のリーグ戦に投げられるように頑張りたい」と気持ちを新たにした。
記者は11年から16年までNPB審判員を務めた。幸運なことに日本ハムキャンプでは当時、所属していた大谷翔平(ドジャース)の投球を判定する機会に恵まれ、ソフトバンクの千賀滉大(メッツ)は育成時代も支配下時代も球審を務めた。おかげで「この投手が凄いか」くらいは分かるようになった。
よく「ブルペンとマウンドは違う」といわれるが、これは間違いだと思う。何千球と投球判定してきたキャンプでのブルペン。ソフトバンクでは杉内、和田がNo.1であったし、西武では高橋朋己が最高のボールを投げ、日本ハムでは宮西のスライダーが漫画のように鋭角で曲がり、大谷は誰よりも速かった。実戦でより力を発揮するタイプもいるが、基本的には力のある投手はブルペンでも圧倒的に凄いのだ、と経験から学んだ。
現場での経験を紙面に生かすべく、昨春からアマチュア野球でプレーする投手のブルペン投球をジャッジする企画「突撃!スポニチアンパイア」をスタート。巨人にドラフト1位指名された中大・西舘勇陽、日本ハム1位の東洋大・細野晴希投手ら10人の企画を実施。怜希もその1人だった。
昨夏、岩手大会直前の7月に大船渡高校で怜希をジャッジした。その日から記者の中では「朗希の弟」ではなく、「東北屈指の好投手・佐々木怜希」に認識を改めた。お世辞、忖度(そんたく)、褒めて伸ばす、そんな言葉は抜きですばらしかった。山本由伸(ドジャース)そっくりのフォームでしなかに腕を振ると快速球がコーナーに決まる。球速は140キロ弱だっただろうが、手元での伸びが良く、強く捕手のミットを押せる球質だ。腕の振りの力感とはミスマッチな力強いボール。こういうタイプの投手こそプロでも直球で空振りが奪える。「150キロ」といった数字以上に強みにできる武器だ。
スライダーも異質だった。現実の野球はパワプロ(野球ゲーム)ではないので、スライダーは真横に曲がらず斜めに変化する。だが、怜希のスライダーは球審目線から見ると、ほぼ真横に大きく変化した。大谷が得意とする「スイーパー」が頭に浮かんだ。怜希は2年秋に内野手から投手に転向したが、わずかな期間で2球種を一級品に仕上げていた。センスの塊である。フォームの勢いと一致しない強烈な球威は、昨年11月にジャッジした青学大・下村海翔投手(阪神1位)が重なる。下村のように同じ腕の振りからスライダー以外の球種も投じることができればプロも目指せる、と感じた。
高校最後の夏。記者の予想に反し、大船渡は岩手県大会3回戦敗退で姿を消した。怜希は先発で2回2/3を投げて2安打6四球3失点。「自分らしいピッチングができなかった」と涙で高校野球に別れを告げた。実は大会直前に故障していた。本来の投球ができなくても試合後の会見で「故障」の二文字は決して口にしなかった。18歳の頃の記者ならば、自分かわいさに「実は~」とペラペラ話していたかもしれない。言い訳しないその姿、負けても「大船渡のエース」を貫いていた。
中大での練習始動後には多数の報道陣に対応した怜希。取材後の写真撮影を終え、記者は一言だけ話しかけた。「もうケガは大丈夫?」。「はい!」。輝く笑顔で言った怜希の顔は自信にあふれていた。「NPB審判員の目」に懸けて、「怜希は東都で活躍する」と断言したい。(元NPB審判員、アマチュア野球担当記者・柳内 遼平)
◇佐々木 怜希(ささき・れいき)2005年(平17)4月25日生まれ、岩手県出身の18歳。小3から猪川野球クラブで野球を始める。大船渡一中では軟式野球部に所属。大船渡では高2の秋から投手に挑戦し、今春から背番号1。兄はロッテの朗希。50メートル走6秒2、遠投100メートル。好きな選手はドジャース・山本由伸。1メートル78、72キロ。右投げ右打ち。
◇柳内 遼平(やなぎうち・りょうへい)1990年(平2)9月20日生まれ、福岡県福津市出身の33歳。光陵(福岡)では外野手としてプレー。四国IL審判員を経て11~16年にNPB審判員。2軍戦では毎年100試合以上に出場、1軍初出場は15年9月28日のオリックス―楽天戦(京セラドーム)。16年限りで退職し、公務員を経て20年スポニチ入社。同年途中からアマチュア野球担当。
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