【選抜100年 世紀の記憶(4)】甲子園に一時代を築いたPL学園の原点 伝説は62年前に始まった
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桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」を輩出するなど高校野球史に一時代を築いたPL学園(大阪)。同校の春夏通じての甲子園初出場は、1962年34回選抜大会にさかのぼる。伝説の始まりとなる春には、開校間もない無名校が聖地初出場に挑戦した幾多の奮闘があった。また、最後の選抜となった09年81回大会で4番を務めた勧野甲輝(31=元楽天、ソフトバンク)が、幼少期から憧れ続け、今も心のよりどころとする名門での3年間を振り返った。 (河合 洋介)
栄光のPL学園も甲子園初出場時は創部7年目の無名校だった。今から62年前、34回大会で主将を務めた光本勝成でさえ「中学の頃は存在すら知らなかった」と明かす。当時の毎日新聞紙上では「ダークホース」と紹介された。その新星が1回戦から2試合連続で3得点を守り切り準々決勝進出。「KKコンビ」や立浪和義(現中日監督)のようなスター選手は不在でも、「凄い盛り上がりでした。聞いたことのない横文字の学校に全国の人は驚いたと思う」(光本)。8強躍進に観衆は熱狂した。
創立2年目の56年に野球部が発足した。創部当初は在校生全員にプレーさせて才能のある生徒を入部させるなど、甲子園出場など夢のまた夢だった。そこで創部5年目を出発点として3年での甲子園出場を目標とする「3年計画」が立ち上がる。61年秋に就任した井元俊秀監督は、第2代教主の御木徳近日知から「毎年甲子園を優勝し、高野連から“もう辞退してもらえないか”と言われるぐらいに強くしてほしい」と頼まれた。それほど教団も本腰を入れていた。
強化策の一つが全国から選手を集めることだった。群馬、愛知、香川などの選手に声をかけた。選抜初出場時の先発メンバーで大阪出身は光本のみで、同氏は「全国から大阪に選手を集めるのは珍しかったのではないか」と証言する。実際、61年夏の甲子園優勝の浪商(大阪)は、尾崎行雄(元東映)、高田繁(元巨人)ら大阪出身の選手を中心に戦っていた。大阪の強豪に対抗すべく、野球に熱心だった地方の教団関係者の力を借りながら府外での勧誘を進めた。
部員は野球部専用の合宿所「研志寮」で生活した。「辞めたい選手も多かったけど、簡単に地元に帰るわけにもいかなかった」。寮周辺に気晴らしになる遊び場などない。全体練習後も練習量を競うかのように自主練習に励む姿は、同校伝統の猛練習の礎となった。
野球漬けの日々は実を結ぶ。61年秋の大阪大会で決勝進出。最後は浪商にサヨナラ負けを喫するも、金星まであと一歩に迫る準優勝を果たし、新聞に「第2の浪商現る」との見出しが躍った。そして創部7年目、3年計画最終年にあたる62年に選抜出場をかなえた。
大会前には選抜での勝利に備えて校歌が作られ、「永遠(とわ)の学園」の歌詞が生まれた。ユニホームも新調され、あまたの球児が憧れた「PL GAKUEN」の文字が胸に刻まれた。アルプス席には「P」の人文字。約200人の生徒では「L」を作る人員が足りなかったものの、こうした多くのPL名物は、初出場時から受け継がれたものだった。光本は「PLに行けば甲子園に出られると、全国から選手が集まる好循環が生まれた」と振り返る。PL学園という伝説は、聖地初出場に挑戦した学校と選手たちの奮闘から始まっていた。
=敬称略=
甲子園初出場から47年後、PL学園は09年の春夏連続出場を最後に聖地から姿を消した。その選抜で4番を務めたのが2年生の勧野だった。「PLとして甲子園に立つ夢がかなった。震えましたね」。計8打数1安打で2回戦敗退も当時の感動は鮮明に覚えている。
PL学園進学が家族の夢だった。4歳で野球を始め、幼少期に同校のある富田林市へ転居、父・雅央さんとの猛特訓――。「野球が嫌いになりそうな時期もあった。それでもPLのユニホームを着たかった」。物心ついた頃からPLのために全てをささげてきた。
同校入学後は1年生4番を任され「清原2世」と騒がれた。「相当な重圧だった」と明かす1年夏の大阪大会は決勝で敗れるも、2本塁打、14打点の活躍。2年春に聖地初出場と順調だった。しかし同年夏は登録外。表向きの理由は打撃不振ながら「実はテストの点数が足りなくて…」と苦笑いで告白した。
3年時は不調で甲子園に戻れなくても「PLでの3年間が誇り」と胸を張る。5年間のプロ野球生活を経て、現在はレンタカー店の店長を務める。「(当時の)藤原弘介監督からの“自分を見失うなよ”という言葉を大事にしています」。PL学園に尽くした野球人生を終えても、夢の名門で学んだ財産は今も宝物だ。
◯…62年の選抜を皮切りに、甲子園大会に春夏通算37度出場、96勝(30敗)を挙げ優勝7度(春3、夏4)と輝かしい歴史を刻み続けたPL学園だが、2015年度から新入部員の募集を停止。16年夏の大阪大会2回戦で東大阪大柏原に6―7で敗れたのを最後に休部状態となり、17年3月には「部員募集再開のメドが立っていない」との理由から大阪府高野連を脱退した。以降も野球部OB会を中心に復活を望む声が上がっており、23年には1年生1人が入部を許可されて練習を再開した。ただ、現在も活動再開には至っていない。
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