本当にそんなことできるのか… 西武・中村剛の通説とは真逆の新打法 落合博満氏にも共通する意識

[ 2024年1月27日 08:00 ]

バットを見つめる中村(撮影・白鳥 佳樹)
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 超一流の技術は凄い。西武・中村剛の今シーズンに向けて取り組む打撃理論を聞いた時は「本当にそんなことができるのか…」と思った。

 「ボールをしっかり捉えるというか、トップスピン。(ボールの上を叩きつつ)うまいことボールの下に(バットが)入ると(角度がついて打球が)上がっていく感覚」。

 野球界の通説で飛距離が出るとされるのは、ボールの中心から下を叩いてバックスピンをかけること。中村剛の考えは、その真逆となる。

 ぶら下がった球を打つ、いわゆる「逆さティー」の器具が一時期球界で流行したことがある。長距離砲であるソフトバンク・柳田も「バックスピンをかける、いい練習になる」と語っていた。巨人の阿部監督は現役時代、試合前に打撃マシンのボールの下をかすらせるようにファウルチップを繰り返し、バックスピンをかける意識を強めていた。

 そんな野球界の常識を覆すような中村剛の新打法。ただ、同じような意識を語っている天才打者がいる。同じ右打ちの長距離砲で、ロッテ、中日などでの現役時代に3冠王を3度も獲得した落合博満氏は、自身のYouTubeでボールの捉え方について「感覚的には上。頭(ボールの上部)で下へ潜らせていく」とボールの頭部分を捉える感覚でバットを出していたと振り返っている。「そういう発想を持った人間は、野球界で誰もいないと思う」と「オレ流」を強調していた。

 現役最多の471本塁打で過去に8人しか達成していない500本塁打まで、あと29本としている中村剛。今季は特に「新装回転」となる打球に注目だ。(記者コラム・神田 佑)

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