阪神・伊藤将 13年に楽天・田中将が達成したQS率100%に挑む「そこしか自分は見ていない」

[ 2024年1月22日 05:15 ]

自主トレを公開した阪神・伊藤将(撮影・成瀬 徹)
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 虎のマー君になる!阪神・伊藤将司投手(27)が21日、福岡市内のグラウンドで岩貞祐太投手(32)らとの自主トレを公開した。昨季は先発21試合で18度のクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以内)を記録。4年目の今季は13年に楽天・田中将が先発27試合全てで達成したQS率100%に挑む。新たに掲げた目標達成へ向けて今オフは上半身の筋力アップに取り組んでいることも明かし、直球の平均球速を145キロまで上げることにも照準を定めた。

 時折、雨が降り注ぐ中、伊藤将はグラウンドでハードな練習をこなした。午前は体幹トレーニングに始まりキャッチボールやランニング、午後は約2時間のウエートトレーニングなど約6時間にも及んだ。昨季は146回2/3を投げて規定投球回&2桁勝利を達成しても、満足する様子はみじんもない。それどころか、新たな目標をぶち上げた。

 「そこしか自分は(見てい)ない。QSをどれだけ残せるかというところ。そこ(QS率100%)は目指していけたらと思う」

 目指すのは虎のマー君だ。伊藤将が入団当初からこだわってきた数字が、先発投手の安定感を評価する指標の一つであるQS。入団1年目の21年から右肩上がりに達成率を上げ、昨季は21試合で18度(85・7%)を誇るなどキャリアを重ねるごとに、その言葉を体現してきた。

 13年に無双を演じ、先発27試合でQS率100%を成し遂げた楽天・田中将の数字さえも、伊藤将がさらっと達成しても何ら不思議はない。そのためには、球速アップの必要性を感じていた。

 「スピードも平均が上がれば凄くいいと思うので、そこを伸ばせたらいいなと」

 昨季は142キロだった直球の平均球速は「145キロまでいければいい」と、照準を定めた。現在は同時並行で弱点と自負する上半身のウエートトレーニングにも時間を割く。抜群の制球力に加え、直球のスピードアップに成功すれば打者を翻弄(ほんろう)するツーシームも生きてくる。徹底的に体をイジメ抜きパワーアップに成功した結果、「QS率100%」の数字が見えてくるという算段だ。

 この日は、今年初めて捕手を座らせた状態でブルペンに入り、直球のみ12球を投じた。「順調に来ている」。最多勝利も目標に設定。志の高い左腕が4年目のシーズンを見据える。(石崎 祥平)

 ≪クオリティースタート率、昨季セ界トップは東(D)87・5%≫昨季20試合以上に先発した投手の中で、最もクオリティースタート(QS)率が高かったのは山本(オ)の91・3%(先発23、QS21)。セでは東(D)の87・5%(先発24、QS21)がトップ。次いで伊藤将と村上の阪神勢が85・7%(先発21、QS18)で続く。

 ≪長坂&岩田も合同自主トレ初参加≫8年目捕手の長坂が、岩貞、伊藤将らとの合同自主トレに初参加。「投手の方と(自主トレを)やるのがいいと思いました。練習から食事までずっと一緒でコミュニケーションも取れて、こっちのこともわかってもらえる」。春季キャンプは2軍スタートだが「いつ呼ばれてもいいように準備したい」と意気込んだ。また4年目の岩田も初参加。同じ左投手の岩貞、伊藤将から得るものは多い。「考え方が全然違う。僕がいかに甘かったか、3年間活躍できていない理由がわかりました」と、初の1軍舞台へ向けて早くも収穫を口にした。

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