日本ハム新人合同自主トレ 新人選手を取材する上でのマイルール、動画はあえて事前チェックしない理由

[ 2024年1月18日 11:32 ]

<日本ハム・新人合同自主トレ>一列に並んであいさつする(左から)細野、進藤ら新人選手たち
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 新人選手を取材する上で自らのルールがある。それは、真っさらな状態でその選手を「見る」ことだ。

 よく若い頃は上司から「取材は下調べが大切だ」と教わった。取材する上で、相手のことを知らないことは失礼にあたるからだ。もちろん取材前に相手の情報を徹底的に頭にたたき込む事前準備はするが、新人選手の場合は打撃フォームや、投球フォームをあえて事前に動画などでチェックしないようにしている。

 “第一印象”を大事にしたいからだ。事前に動画などでフォームを見てしまうと、自分の中で「こういう選手か」という固定概念が生まれてしまう。だが、あえて真っさらな状態で「見る」ことで選手それぞれの特徴や個性に気付きやすい。そして、その特徴をより深掘りしたいという探究心が生まれる。

 “台湾の至宝”もそうだった。昨秋に日本ハムへ育成契約で加入したU18台湾代表右腕・孫易磊(スン・イーレイ、18)が、沖縄・国頭での2軍キャンプに初参加。この時もあえて事前に動画をチェックすることなく、その場で初めてキャッチボールを見て彼の特徴に気が付いた。

 「くの字ステップ」だ。体重移動時、軸足とは逆の左足のスパイク裏が捕手に見えるほど内旋する。ひらがなの「く」の字に見える同ステップは、ロッテ・佐々木朗ら速球派に見られる共通点だ。本人に聞けば「高校1年からです。テンポとリズムを合わせたくて」と、自然に身についたフォームだという。下半身でためたパワーを上半身へと効率良く伝えられるフォームに、最速157キロを計測する豪腕の“秘けつ”を見た。

 9日からは日本ハムの新人合同自主トレがスタート。もちろん、今年も全新人の動画はあえて事前にチェックしていない。人それぞれ個性や特徴がある。真っさらな状態で「見て」気付いた特徴を深掘り取材し、その選手の特徴を伝えていきたい。(記者コラム・清藤 駿太)

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