巨人・坂本 愛の「速射砲ノック」元ソフトボール代表監督・宇津木妙子氏からエール

[ 2024年1月13日 05:30 ]

合同自主トレを行う巨人・坂本と激励に訪れた元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子氏(撮影・花里 雄太)
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 巨人の坂本勇人内野手(35)が12日、那覇市内で自主トレを公開。親交ある元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子氏(70)から代名詞の「速射砲ノック」を受けるなど下半身をいじめ抜いた。長年、主戦場としてきた遊撃よりも負担が少ない三塁に完全コンバートされるプロ18年目の今季は、19年以来5年ぶりとなる全試合出場を目標に掲げた。

 南国の空に、打球音が何度も響いた。坂本が宇津木氏から愛情が詰まったノックを受け続ける。「ヤバいよ、あのノック。若手だけでいいよ…」。そう言いながらも、大粒の汗が滴る顔は充実感に満ちあふれていた。

 プロ18年目へ向け、その準備となる沖縄自主トレ。本格的に三塁へ転向する坂本の元へ、ソフトボール元日本代表監督で「速射砲ノック」が代名詞の宇津木氏が駆けつけた。13年に試合観戦に訪れた同氏と会話する機会に恵まれ、そこから始まった交流。プロ1年目だった07年に母・輝美さん(享年47)を病で亡くしており「お母さんみたいな存在。本当に厳しく叱咤(しった)激励をいただける」と感謝する。ノックは参加8選手が約30分間、休みなく内野を走り回ったが坂本は「ソフトボールの選手は、あれの倍やると聞いた。ちょっと考えられない…」と目を丸くした。

 ここまで2321安打を積み上げ、通算300号へ残り12本、プロ野球記録の487二塁打まで残り42本としている坂本。多くのタレントがそろう「88年世代」の中でも突出した成績を残している。自然と周囲に意見する人が減っていく中、分け隔てなくアドバイスをくれる宇津木氏はけうな存在。前夜も食事をともにして「きょう一日を大事に。そういう気持ちでやったらいいよ」と金言を授けられ「練習でも精いっぱいやることが大事。僕より、倍生きているので凄く重みがありました」と脳裏に刻んだ。

 一昨年は右膝側副じん帯損傷などで3度も離脱。昨季も右太腿裏の肉離れで約1カ月戦列を離れた。今年12月で36歳の年男だが、老け込むつもりはなく「全試合出場が目標。そういう気持ちでいないとダメ」と表情を引き締める。「球界の母」がくれたエールを力に変えて、24年シーズンに挑む。(花里 雄太)

 ≪通算2500安打までは あと179≫坂本(巨)の通算二塁打は445本。歴代最多は立浪和義(中)の487二塁打となっており、あと42本でプロ野球記録に並ぶ。また、本塁打は288本で、通算300本塁打(過去45人)まではあと12本。通算安打は2321本。過去7人しかいない通算2500安打までは、まだ179本もあるが、09年の178本を筆頭にシーズン170安打以上を4度記録している坂本なら今季中の達成も狙えそうだ。

 ◇宇津木 妙子(うつぎ・たえこ)1953年(昭28)4月6日生まれ、埼玉県出身の70歳。星野女子から実業団ユニチカ垂井に進み、内野手で日本代表入り。85年に現役引退。97年に女子ソフトボール日本代表監督に就任し、00年シドニー五輪で銀メダル。04年アテネ五輪では銅メダルに輝き、同9月に代表監督を退任。現在は日本女子ソフトボール機構副会長兼キャプテンなどを務める。

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