阪神育成2位・福島圭音が仮契約 50メートル5秒8!育成出身“セ界初”盗塁王に、オレはなる

[ 2023年11月23日 05:15 ]

仮契約を終え、平塚スカウト(右)と撮影に応じる白鴎大・福島(阪神タイガース提供)
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 阪神から育成ドラフト2位指名を受けた白鴎大・福島圭音(けいん)外野手(22)が22日、栃木県小山市内のホテルで入団交渉を行い、支度金300万円、年俸300万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。50メートル走5秒8の韋駄天(いだてん)は、セ界初となる育成出身選手による盗塁王を目標に掲げた。

 「育成から初めて盗塁王になれるチャンスがあるのは、自分にとっていい刺激になる。目指していきたい」

 育成出身ではソフトバンク・周東、ロッテ・和田の2人が最多盗塁タイトルを獲得したことがあるが、いずれもパ・リーグ。「セ界初」を狙う権利は残されている。

 その実力も持ち合わせる。今春の関甲新リーグ9試合で20盗塁を記録し、リーグ新記録を樹立。「今年は投手の癖を見抜く洞察力が増した。プロは投手のレベルが上がるので動画を見て研究していきたい」。走力に加え、洞察力も備えてプロ入りする。

 「小さい頃は遊ぶときにウサギとか、シカとか。野生動物を追いかけていたので、それが大きかったかなと思います」

 俊足の土台は、幼少期に築き上げられた。埼玉県秩父市出身。自宅の周囲は、まさに童謡「故郷(ふるさと)」の歌詞にあるような大自然であふれかえっていた。「遊ぶ」といえば鬼ごっこ、川遊び…たとえば“壁当て”をしている最中、ふと気づくと野生のウサギやシカが顔をのぞかせていたりした。「ボールが壁を越えることがよくあって。取りに行くと壁の向こうにたくさん動物がいる。一緒に走って遊んでいた」。自然に育まれ、鍛えられた足が、最大の武器だ。

 支配下登録へ向け、課題は打力向上。「やるべきことをやっていけば、おのずと支配下になれると思っている」。育成入団から一流への道を、一気に駆け上がってみせる。 (松本 航亮)

 ◇福島 圭音(ふくしま・けいん)2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県秩父市出身の22歳。小学3年時に秩父ドリームズで野球を始め遊撃手。秩父第一中では軟式野球部に所属。聖望学園2年時に外野手転向。白鴎大では1年秋から出場し、4年春に関甲新学生リーグ新記録の20盗塁。1メートル71、72キロ。右投げ左打ち。

 ○…育成ドラフト出身野手によるタイトルは、ソフトバンク・周東(17年育成2位)とロッテ・和田(17年育成1位)が盗塁王を獲得しており、セ・リーグではいない。投手では巨人・山口鉄也(05年育成1巡目)が最優秀中継ぎ、ソフトバンク・千賀滉大(10年育成4位。現メッツ)が最多勝、防御率、奪三振、勝率、ソフトバンク・石川(13年育成1位)が最多勝と勝率、22年に西武・水上(20年育成5位)が最優秀中継ぎを獲得している。

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