仙台育英・仁田が150キロ 5球団スカウト熱視線「かなり良い」 須江監督「潜在能力No.1」と絶賛

[ 2023年10月9日 20:40 ]

鹿児島国体1回戦   仙台育英11―0慶応 ( 2023年10月9日    鴨池 )

<仙台育英・慶応>7回から救援した仙台育英・仁田(撮影・村上 大輔)
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 今夏の甲子園で準優勝した仙台育英(宮城)は決勝で敗れた慶応(神奈川)に11―0で7回コールド勝ちしリベンジを果たした。

 プロ志望届を提出済みの最速151キロ左腕・仁田陽翔(3年)は7回から登板し、3者凡退で1三振。自己最速まで1キロに迫る150キロをマークするなど26日のドラフトへ向け、猛アピールした。

 7回、「ピッチャー・仁田君」のアナウンスが響くと、三塁側の関係者席に座っていたスカウト陣が一斉にバックネット裏に移動した。手にはスピードガンと動画を撮影するためのカメラ。プロ入りへの岐路となることは明らかだった。

 初球からスカウトのスピードガンで146キロをマーク。高校生左腕ではトップクラスの出力だ。147、149と数値は上昇を続け、先頭・細井の7球目には大台の150キロが出た。この日投じた12球の直球の平均球速は147キロ。スライダーも最速で136キロと高校生離れした馬力を披露。本人も納得の内容だった。

 「だいぶバランスも良くなってきて、それを続けることができている。甲子園ではトップがつくれていなくて球が抜けることが多かった。しっかりトップをつくれるようになってきました」

 エース右腕・高橋、153キロ右腕・湯田とともに形成する「150キロトリオ」で唯一、プロ志望届を提出した未完の大器。今春の選抜、今夏の甲子園で実力を発揮できなかった左腕がようやく見せた実力の片りん。須江航監督は賞賛の言葉を惜しまなかった。

「もう見てもらって分かるように潜在能力は今年の高校生でナンバーワンの左腕だと信じて疑っていない。ただ、甲子園では春、夏ともに僕がうまく仕上げてあげられなかった。本来持っている力は今日以上のモノを持っていますから。3、4年後くらいにプロの1軍のマウンドで投げているイメージができている。すばらしいピッチングだったけど、まだまだこんなこんじゃない。それを3年間、近くで見てきました」

 ドラフト直前の時期に鹿児島で開催された国体を5球団のスカウトが視察。オリックス・牧野塁スカウトは「かなりよかったと思います。大事に投げていましたね。まとまっている割には出力も高い。150キロも出ましたね。左ピッチャーであれだけ出力を出せる投手はいない。彼の魅力ですよ」と高評価した。(柳内 遼平)
 
◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の18歳。猪川小3年から猪川野球クラブで野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。1メートル75、74キロ。左投げ左打ち。

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