広島・秋山 復帰後初の適時打 2位死守とCSからの下克上へ欠かせぬベテランの復調

[ 2023年9月19日 05:00 ]

セ・リーグ   広島7―8中日 ( 2023年9月18日    バンテリンD )

<中・広>7回、秋山は適時打を放つ(撮影・椎名 航)
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 広島・秋山翔吾外野手(35)が18日の中日戦で右下腿(かたい)ヒラメ筋筋損傷から復帰後、初めて適時打を放った。7回に2点差に追い上げ、なおも2死一、三塁で右前適時打。一挙6得点の同点劇に貢献した。延長11回の末にサヨナラで敗れて3位・DeNAが2ゲーム差に接近。2位死守とCSからの下克上にはベテランの復調が欠かせない。

 7回に2点差まで追い上げ、なお2死一、三塁。秋山は斎藤に2球で追い込まれてから意地を見せた。ボール2球を挟み、5、6球目はファウル。7球目の甘いスライダーを右前へ引っ張った。1点差に迫る適時打に表情は変わらない。

 「ボール球にも手を出してしまったが、何とか粘ったおかげで、最後はヒットコースに飛んでくれた」

 8日の阪神戦で右ふくらはぎ故障から復帰してから出場8試合、30打席目で初の適時打。打点も8月8日のヤクルト戦で適時二塁打を放って以来、43打席ぶりだ。反撃をつなぎ、末包の左前適時打で一挙6得点で同点。9回には勝ち越し、一度は6点差を逆転した。

 「打点というより、まずヒットも出ていなかったので…」

 復帰から最初の5試合は無安打。離脱前を合わせて西武時代の11、14年を超えて国内では自己ワーストを更新する32打席無安打に沈むなど苦労した。実戦の中で試行錯誤を重ね、16日の阪神戦からは3試合連続安打。反転上昇はを明らかだ。延長11回には勝野から左前打して8月3日のDeNA戦以来のマルチ安打。新井監督も「状態は凄く上がってきていると思う」とうなずいた。

 既に阪神の優勝が決まり、次の目標は本拠地・マツダスタジアムでCSファーストS開催できる2位死守に変わった。3位・DeNAが8月18日以来の2差まで近づいてきても、百戦錬磨のベテランは泰然自若だ。

 「負けられない戦いと言いますけど、本当に負けられない戦いはまだ先。もちろん優勝を逃した以上、2位を目指してやっていますけど、チームは今日みたいに6点差を追いつける力もある。自分は毎日、変わらずにやっていくだけ」

 菊池、西川ら主力が不在。抜てきの若手を含め、今いる戦力で乗り越えていかないといけない。残り7試合のうち6試合が勝率・656を誇る本拠地戦。何より秋山の復調が心強い。(長谷川 凡記)

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