日本ハム・木村文紀が現役引退 18日に会見、20日の古巣・西武戦が最後の花道に

[ 2023年9月18日 04:00 ]

日本ハム・木村文紀
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 日本ハム・木村文紀外野手(35)が今季限りで現役引退することが17日、分かった。すでに球団側に意思を伝え、18日にエスコンフィールド北海道で会見を行い、20日の古巣・西武戦(ベルーナドーム)が引退試合となる。投手としてプロ入りし、西武時代の12年途中から外野手に転向。強肩強打を武器に、パ2球団で活躍した苦労人が17年間の現役生活に終止符を打つ。

 ファン、同僚に「きむさん」の愛称で慕われてきた木村がユニホームを脱ぐことを決断した。投手として5年半、外野手として11年半の計17年間のプロ生活。「恵まれた野球人生だった」。最近は近しい関係者にそう漏らしていた。

 17年目の今季は6月に左脇腹を痛めて離脱。7月9日のイースタン・リーグ楽天戦で復帰以降、18試合で打率・395、13打点、4本塁打を記録しているが、ここまで1軍出場はない。昨年12月の契約更改の場で、「野球人である以上、1軍で活躍したい」と話していた。強肩強打の抜群の身体能力を誇るタイプの万波が本塁打王を争うなど、若手が台頭してきた現在のチーム状況と、自身の立場を冷静に受け止めた。

 今月に入り、自身の進退について球団側と会談。もう一度、1軍の舞台で勝負したいとの思いもあった。しかし、家族、お世話になってきた関係者らとも相談し、熟考を重ねて区切りをつけることにした。すでに球団側には引退の意向を伝え、18日に本拠地で開かれる会見で、自身の思いを口にする。

 埼玉栄から06年高校生ドラフト会議で、西武から投手として1位指名を受けた。最速148キロを誇る本格派で、渡辺久信2世と期待された。11年にプロ初勝利を挙げるも、高校通算33本塁打の長打力と俊足の評価も高く、12年途中に外野手に転向。練習後、帰宅する際には車のハンドルも握られないほどバットを振るなど、背水の覚悟で臨んだ。

 13年には当時新人だった日本ハム・大谷翔平(現エンゼルス)から、イースタン・リーグで2本の場外弾を記録するなど、思い切りのいいスイングで14、19年には1軍で2桁アーチをマークした。18、19年には西武でリーグ連覇も経験し、21年途中に日本ハムへトレード移籍した。

 楽天・田中将、巨人・坂本、ツインズ・前田ら逸材ぞろいの世代の中で、17年間も活躍。古巣の協力もあり、20日の西武戦(ベルーナ)が1軍出場にこだわった男の花道となる。

 ◇木村 文紀(きむら・ふみかず)1988年(昭63)9月13日生まれ、東京都出身の35歳。埼玉栄では2年からエース。3年時は鷲宮・増渕(元日本ハム)とともに注目を集めたが甲子園出場なし。06年高校生ドラフト1巡目で投手として西武入団。12年に外野手に転向。強肩強打を生かし19年は130試合に出場するなどリーグ連覇に貢献した。21年途中に日本ハムへトレードで移籍。1メートル83、87キロ。右投げ右打ち。

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