【甲子園】4年ぶり復活!声出し応援 アルプスと一体の夏 存在の大きさ再認識

[ 2023年8月19日 05:20 ]

土浦日大戦、手拍子で盛り上げる専大松戸応援団
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 夏の甲子園はベスト8が決定した。コロナ下の制限がなくなり、夏の大会では4年ぶりに声出し応援が復活。昨年復活したブラスバンドに加えて、声援と大歓声が戻ってきた。「甲子園」での歓声の存在の大きさを再確認するとともに、印象に残った各校の応援をピックアップ。

 球児を照らす太陽、青々とした芝、聖地に影を落とす銀傘。そしてこの夏、甲子園に声援が帰ってきた。ワンプレーに沸くスタンドは9回になると、球場全体の手拍子で「魔物」の襲来を期待する。慶応(神奈川)の森林貴彦監督は、広陵(広島)との3回戦を制した試合後、感謝の言葉を並べた。

 「これはもう最高としか言いようがない。いろいろな方が応援に来てくださって、本当に力になる。応援に囲まれながら野球ができる。本当に幸せだと思います」

 ハプニングが発生したのは、専大松戸(千葉)と土浦日大(茨城)の3回戦。台風7号の余波で新幹線に大幅な遅れが生じ、吹奏楽部などの応援団が試合終了までに到着できなかった。それでも自家用車で駆けつけていた保護者らと一部生徒、野球部員らが手拍子で応援。6回の攻撃途中からは球場全体へと広がった。クラーク(北北海道)の系列校である環太平洋大のマーチングバンド部は、花巻東(岩手)との2回戦の降雨中断中に「ミニ演奏会」を実施。3曲を披露し、球場中から拍手が送られた。

 大会直前の本紙インタビューで、仙台育英・須江航監督は「やっぱり(高校野球は)総合作品。アルプスも含めて球場のお客さんと一試合が出来上がっている」と表現。声援に彩られた甲子園は、夏の風物詩であり続ける。 (柳内 遼平)

 【共栄学園 女子バレー部代打応援】強豪の女子バレーボール部でリベロを務める橋本侑芽(ゆめ)主将(3年)がアルプス席で応援。今夏の東東京大会決勝ではダンスドリル部が全国大会出場のため応援できず、「代打」で女子バレーボール部がユニホーム姿で応援し「ミラクル共栄」を強力に後押しした。初出場の聖地で声援を送った橋本主将は「バレー以外のことで話題になることがなかったので恥ずかしかったけど、新鮮で楽しかった」と振り返った。

 【仙台育英 得点時に「山梨学院曲」】昨夏王者は強力な「助っ人」を導入した。今春選抜で県勢初の優勝を果たした山梨学院が使用してきた「山学BIG WAVE」を今夏の宮城大会から得点時に熱唱。選抜ではビッグイニングを何度もつくった「本家」に続き、今大会は3試合で計31得点と打線好調。アルプス席で応援する斎藤大葵(だいき=2年)は「凄く盛り上がる。本当にチームを勢いづける大きな応援歌」と話した。

 【おかやま山陽 「ワンピース」を大合唱】野球部だけじゃなく、アルプス全体から大声が響く。高校野球の応援では珍しい大人気アニメ「ワンピース」の主題歌にも使われた「ウィーアー!」を大合唱する応援スタイルを取り入れている。「ありったけの夢をかき集め」と張り上げるアルプスからの声に勇気をもらい、チームも初めての8強入りを果たした。

 【花巻東 麟太郎に「大谷応援歌」】OBの二刀流テーマ曲が印象的だ。高校通算140本塁打をマークし、今大会も打率5割と絶好調の佐々木麟太郎(3年)の打席で流れるのは、エンゼルス・大谷の日本ハム時代の応援歌。初戦の宇部鴻城戦では一塁側アルプス席で妹で女子硬式野球部の秋羽主将(2年)も応援。「本当に楽しそう」とメガホンを両手に兄に声援を送った。

 【土浦日大 茨城らしく「水戸黄門」】茨城らしさ全開。長寿ドラマ「水戸黄門」のテーマ曲「あゝ人生に涙あり」を応援歌に採用し、SNSでも話題になった。大会直前に応援部、吹奏楽部、チアリーディング部、野球部の会議で採用を決定。都道府県魅力度ランキングでは例年下位に沈んでいることもあり「茨城代表として茨城をアピールしようと。茨城といえば水戸黄門となりました」と吹奏楽部の川島彩希部長。「人生楽ありゃ苦もあるさ」と声を合わせ選手に勇気を届けている。

 【慶応 もりばやしが足りない】今夏、各地方大会から流行しているのが「盛り上がりが足りない」コール。慶応は幼稚舎の教諭も兼務し、多忙な業務の中で野球部を指揮する森林貴彦監督への感謝を込め「もりばやしが足りない」と叫ぶ。甲子園では6回の攻撃前にコールすることがルーティンとなり、森林監督は「うちらしい。監督の名前を呼び捨てにできるチームが何校あるかアンケートを取ってほしい」と笑いつつ、歓迎している。

 【神村学園 得点時に流れる名曲】得点時に流れる「オー・シャンゼリゼ」が鳴りやまない。史上4校目の3試合連続2桁得点で夏初めての8強。1回戦は台風6号の影響で応援の規模は大幅に縮小されたが、その後は500人態勢での大声援が響いている。試合中に声を張り上げ過ぎてガラガラ声で勝利後の取材に応じることが定番となってきた小田大介監督は3回戦後に「吹奏楽部にもう一回、大演奏できる場を与えられた」と喜んでいる。

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