DeNA　交流戦初V王手!「牧集合デー」“本物”が完全男を完全攻略4安打　19日引き分け以上で決める

交流戦   DeNA6―1ロッテ （ 2023年6月18日    横浜 ）

＜D・ロ＞集合した17人の影武者と記念撮影する牧（前列左から2人目）＝撮影・島崎忠彦
Photo By スポニチ

　完全男を完全攻略だ！DeNAの牧秀悟内野手（25）が18日、ロッテ戦で佐々木朗希投手（21）から決勝打を含む3安打2打点。直球、フォーク、スライダーを捉え、昨年6月の対戦で一発を放ったカーブも合わせて全球種を攻略し、計4安打で勝利に貢献した。チームは1試合を残して交流戦首位に浮上。きょう19日の日本ハムとの最終戦（横浜）で引き分け以上なら、念願の初優勝が決まる。

　WBC以来の再会だった前日、牧は佐々木朗に「偽者ですか？」と冗談を言われた。17人の「影武者」が集まる球団の企画を知られていたのだ。陽動作戦は成功？「全国からそっくりさんを呼んでいただいたけど、本物だと証明できた」。最後は全員で「デスターシャ」ポーズを決めた。

　佐々木朗が投げた3球種を安打した。牧は踏み出す左膝を柔らかく使う技術が高い。下半身でタイミングを合わせて壁をつくり、体が投手方向に流れないから全球種に対応できる。2回は160キロ直球を左翼線二塁打。0―1の4回2死三塁はフォークを左前に運ぶ同点適時打。1―1の6回2死二塁ではスライダーを捉え左中間三塁打を放った。昨年4月に完全試合を達成してブレークした右腕とは同6月の交流戦で初対戦しカーブを逆方向の右翼席へ。これで難攻不落の怪物の全球種を「完全攻略」した。

　全ての球種に対応する「変幻自在」の打撃は、まさに牧が何人もいるようだった。この日は秀悟の名前をもじった「牧集合デー」。お笑い芸人の牧、柔道界の牧、少年の牧、宮崎の牧もいたが、やはり本物は凄い。本人は「自分では分からないですが…。似てましたか？」とはにかんだが「あんなにそっくりな人がいるんだな、と思いました。イベントの日に勝利できて良かった」と力に変え、8回の二塁打も合わせて今季2度目の4安打につなげた。

　この1勝がもたらす意味は大きい。巨人が敗れ、ついに交流戦首位に浮上。きょう19日の日本ハム戦に引き分け以上で初優勝が決まる。「物凄い投手を打てたので良かった」と胸を張った牧は「もう勝つしかない。絶対勝って優勝する」と誓う。チームで唯一、開幕から打順が不動でリーグ単独トップの43打点。誰もマネできない、本物の4番になる。（神田　佑）