猛虎最強助っ人が初告白した禍根の裏話「葬儀に出ようと」 雪解け間近、今後は阪神のために
猛虎の血―タテジマ戦士のその後―ランディ・バース氏
青い目に、猛虎の血を宿す。今年、晴れて日本で野球殿堂入りを果たしたランディ・バース氏(69)にとって、阪神は唯一無二のチームだ。在籍6年で栄光と苦労、出会いと別れがあった。初めて打ち明ける裏話も披露しながら、猛虎史上最強の助っ人はあふれる阪神愛を語り続けた。
今年、日本で野球殿堂入りを果たしたバース氏にとって思い出深い来日となった。3月31日、DeNAとの開幕戦のスペシャルゲストとして球団の招待を受けた伝説の男は、その舞台裏で、多くの再会を喜んでいた。
始球式を務めるバース氏に、球団は背番号44のユニホーム、ネーム入りグラブ、シューズを用意した。「現役当時もグラブには刺しゅうがあったけど、シューズにはペンで44と書いただけだからね」と米国オクラホマ州に住む5人の孫に見せるため、帰国の荷物に入れていた。
増えた荷物が、もう一つあった。85年の日本一監督・吉田義男氏(89)から贈られた殿堂入り記念の万年筆。岡田彰布監督に「吉田さんが球場に来られないから…と預かってきたんや」と手渡された。球団の配慮、仲間たちの思いが伝わる祝福だった。「改めて思った。最高の仲間たちと最高の経験ができた阪神時代だった。人生の中でも忘れられない6年間だよ」
輝かしい瞬間を挙げれば、キリがない。85年4月17日、掛布雅之、岡田とともに甲子園を興奮で包んだバックスクリーン3連発。86年6月26日に後楽園球場の場外まで運んだ王貞治に並ぶ7試合連続本塁打の記録も、江川卓との真っ向勝負とともに記憶にも残っている。85、86年の3冠王、85年の西武との日本シリーズ…。どれも忘れられないシーンだ。
「阪神に来るまでは引っ張り専門の打者だった。でも、日本に来て、どう打つかを考えるようになった。当時は日本人選手に有利になるように、外角が広い“ガイジン・ストライク”もあった。だからコーチとともに外角対策に取り組んだ。外角に目を付けて、逆方向に打ち返す。それは徹底した」
技術的な挑戦とともに、掛布、岡田と組むクリーンアップがバース氏の数字を上げた。後ろに強力な2人がいるから、3番とは勝負しなければならない。「掛布、岡田、そして真弓(明信)と、リーダーシップが取れる選手がそろっていた。彼らが若手の面倒もしっかり見ていた。今年の阪神も誰がリーダーになるかがポイントだと思う」と分析した。
愛した阪神との最後は禍根を残す結末になった。88年、長男・ザクリーくんが水頭症を発症。帰国、退団、保険などを巡る対立…と事態は紛糾した。交渉に当たった球団代表の自殺という悲劇も招いた。長い間、球団とバース氏に距離があったのもそのためだ。「あれは本当に悲しい出来事だった。でも神戸大の先生も東大の先生もアメリカで治療するしかないと言っていた。野球より子供を取るのは当然だった」と語ったバース氏は、新たな話を打ち明けた。「球団代表とはいい関係だったんだ。英語が堪能な娘さんと一緒に会合に出たりもしていた。だからニュースを聞いて、葬儀に出ようと思った。でも球団の反応はNOだった。それが今も残念でならない」と思い返した。
バース氏も離婚、再婚を経験したが、あの時命の危機に直面したザクリーくんも42歳に。オクラホマのタイヤメーカー、グッドイヤーで働いている。その孫と会うのが一番の楽しみだという。
月日がたち、かつてのトラブルも雪解けしようとしている。開幕戦招待に続き、7月には野球殿堂入りのセレモニー参加のため再来日する予定だ。「関係が以前のように戻ることを希望している。できれば自分のバッティングをチームに伝えたい。野球に対する考え方を教える機会があれば」。開幕のベンチ裏では佐藤輝とも対面した。実はバース氏とは誕生日が一緒。これも何かの縁となるかもしれない。(鈴木 光)
◇ランディ・バース 1954年3月13日生まれ、米オクラホマ州出身の69歳。大リーグではパドレス、レンジャーズなど6年間で130試合プレー。83年に阪神入団。85、86年に2年連続3冠王、85年にはチームを初の日本一に導きリーグMVP。シーズン打率・389(86年)などプロ野球記録を多数樹立した。88年途中に子供の病気を理由に帰国し、退団。同年限りで現役引退。帰国後は米オクラホマ州で農場経営の傍ら、市会議員、州議会上院議員を歴任。97年にはスポニチ評論家も務めた。1メートル84、95キロ(現役時)。右投げ左打ち。
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