DeNA、値千金「森の併殺崩れ」 シーズン通せば大きな幹に

[ 2023年2月18日 18:31 ]

<練習試合 神・D> 9回、森の一ゴロで併殺を奪えず(撮影・大森 寛明)
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 DeNAは18日、阪神との練習試合(宜野座)に2―2で引き分けた。

 0―2の最終回(9回)2死一、三塁。蝦名が岩田の138キロの直球を右中間同点二塁打。このしぶとい一打で、練習試合3連敗を免れた。だがその場面、蝦名の同点打を陰で演出していたのは「森の併殺崩れ」だった。

 9回は、岡留の連続四死球で無死一、二塁とした。この場面でこの試合2安打「一番・遊撃」の森。正遊撃手最右翼の21歳は、初球の直球を引っかけて一ゴロとした。当然阪神守備陣は、3―6―3の併殺を狙う。

 だが、50メートル5秒8が武器の背番号6は、そのプレーを「併殺崩れ」とし一塁に残った。快足が一塁に残り、蝦名の二塁打で長駆生還。この1点が値千金同点「ラン」となった。

 三浦監督は試合後に「森の1つの武器ですから、それもスピード。(一塁に)残れたのが同点につながった。抜けてからホームまで、森だったからつながった」と高評価した。

 DeNAは昨季前年の最下位から2位に浮上。勢いがついた。だが、得点は21年の559(リーグ2位)から、22年は497(同4位)に減少した。自慢の打線の歯車は、かみ合わなかった。

 そして昨季の森の先発出場は42試合のみ。1番にも定着できず、快足がチームに貢献する場面は少なかった。

 この日の阪神戦は、「併殺崩れ」でも森がチームに貢献した一戦。最終回に「若き星」たちが輝いた。「打てなくてもしぶとく点を取る野球」への序章をこの試合で見た。きっとこの戦い方もDeNAの大きな幹の1つとなるはずだ。
 (大木 穂高)

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