西武・山川 “オレ流”で2発!! キング6号&7号 驚異の本塁打率5・86

[ 2022年4月28日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8―2ソフトバンク ( 2022年4月27日    ペイペイD )

<ソ・西>初回1死二、三塁、右中間越え3ランを放った山川は「ドスコイ」ポーズをする(撮影・中村 達也)
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 西武・山川穂高内野手(30)が27日、ソフトバンク戦で今季2度目の1試合2本塁打を放つなど3安打5打点で8―2の大勝に導いた。初回にリーグ単独トップに立つ6号3ランを放ち、7回にも7号ソロ。18、19年の本塁打キングはここ2年は不振に陥ったが、落合博満氏(68)を参考に打撃のミートポイントを投手寄りに修正。「オレ流」の打撃でかつてを上回るペースで量産している。

 球を捉える「ミートポイント」を投手寄りに戻したことが復活の要因だ。山川が憧れる3冠王3度の落合博満氏は球を引きつけて打つイメージが強いが、実際は左足よりも前でボールを捉えている。
 「2年間僕がちょっと間違った解釈をして(球を体に)引きつけすぎていた。今は左足の前で打つイメージ」

 打率を追い求めた過去2年間。「打率の高い打者はポイントが体に近い」と誤って解釈した。結果、球を体の中まで引きつけすぎてスイングは窮屈になった。バットの力が伝わらない。指導者の「前に戻せ」という声にも耳を貸さなかった。

 2年連続本塁打王に輝いた19年以前は、癖で左足よりも前で打っていただけだった。昨年は規定打席に届かず、8番降格の屈辱も。トンネルの中で「落合さんもポイントは前」と再確認し、以前の打撃に戻した昨季終盤に固め打ちしたことで、「前で打つ打撃」に戻す決心がついた。

 「体の中で打ちすぎると、バットが走らなかった。今は振り切れている」と今季2度目の1試合2本塁打。初回に杉山の直球を右中間に先制6号3ラン。これが決勝弾となった。今季初の逆方向への一発。7回には板東の内角直球を中越えへ7号ソロ。2試合に1本以上のペースで、右太腿の軽い肉離れで14試合欠場しながら、本塁打数リーグ単独トップに立った。

 19年に憧れの落合氏とテレビの企画で対談した。ノートに30個の質問を準備し、「まあ、お座り」と言われて始まった。結婚を機に、練習に集中するため本拠近くに住まいを構えたことで「お前は大成する」と言われた。「しょせんボール遊び。何が一番合うか考えれば楽しいだろうよ」と諭された一方で、過去2年間は苦しんだ。

 「トップに立っているのは気持ちいい。どんどん打って突き放したい」と山川。達人の感覚が、103キロの巨体に宿りつつある。(神田 佑)

 《Hey man!5連発》山川は本塁打直後「打てて良かったです。Hey man!」などと「Hey man!」を計5度繰り返した。親しい、くだけた間柄で使われるあいさつや掛け声。高山打撃コーチがあいさつ代わりに使い、この日の試合前円陣で山田が連呼したことから、山川も繰り返した。ヒーローインタビューでは先制弾を「なんか振ったら、あっち(右中間)に飛びました」と言って観客を笑わせた。

 《驚異の本塁打率》山川(西)が3月29日の日本ハム戦以来通算21度目のマルチ本塁打。今季の本塁打を7本とし、アルカンタラ(日)の5本を上回るパ単独トップに立った。打数はわずか41で、本塁打1本当たりに要した打数を示す本塁打率は5・86。両リーグで5本塁打以上の8人の中では、岡本和(巨)の11・63を大きく引き離す断トツだ。

 ▼西武・辻監督(山川は)ポイントを前にして力むことなくコンタクトできている。近くに呼び込んで飛ばそうとすると、力むだろうしね。

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