西武・高橋朋己アカデミーコーチが誓う“全力投球” 経験伝え次代のレオ戦士育てる

[ 2020年12月16日 09:00 ]

トレーニングセンターでライオンズアカデミーの練習を見守る高橋朋己氏(球団提供)
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 今季限りで現役を引退した西武の高橋朋己氏(32)が第2の人生を歩もうとしている。新たな持ち場は小学生に野球を教えるライオンズアカデミーのコーチだ。球団から打診された際には「奥さんと相談して…」と言われたが、その場で快諾。「“雇っていただけるなら、ぜひお願いします”と言いました。球団に残していただけるのが、凄くうれしかった。この球団に尽くしたかったので」と全力投球を誓った。

 就任が決まると「子供たちに教えるにあたって、キャッチボールや投球モーションを見せたりできない」と引退後にも関わらず、すぐにメスを入れることを決断。11月19日に左肩腱板の内視鏡手術を受けた。

 5歳の長女と2歳の長男がいる2児の父。「術後は子供たちが“パパ痛いよね”と左手の方に寄らない。肩が上がらないので(ニンテンドー)スイッチのマリオテニスは右手でやっています」と子煩悩の一面をのぞかせる。だが、実はファンの子供にも敬語を使っていたほど、極度の人見知りだった。「ありがとう」「またね~」と話しているチームメートの姿を見て「俺もやってみよう」と数年前に克服した。

 指導を始めるのは肩が上がってからになるが、すでに頭の中は子供たちのことでいっぱいだ。「子供に教えるのは難しい。集中力を切らさない教え方とか、野球以外でもこういう教え方があるとか。今、勉強しているけど、徐々に教え方を学んでいけたらですね」と専門書やユーチューブなどの「教材」に目を通す日々だ。

 「ナイスボール!いいよー!みたいな。最初はそんな感じでいかないとかな」と、来たるべき日に向けてイメージも膨らんでいる。野球以外に教えたいのは食事と感謝。「食べることが強みになるので、好き嫌いするな。感謝の気持ちは子供には分からないですからね」と自身の経験を踏まえて語った。

 「野球はやり方を間違えない限り、素晴らしいスポーツ。やればやるだけ楽しい。それを教えられる場が、ライオンズアカデミーだと思っているので、ぜひともお子さんがいる方はお子さんを連れてきてください」としっかりアピールした。「今なら旬の高橋朋己がついてきますよ」。得意のジョークで笑わせたかつての守護神が、きっと次代のレオ戦士を育て上げてくれるだろう。(記者コラム・花里 雄太)

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